計画

④障がい福祉
【現況と課題】

 障がいのある人の地域生活と就労を進め、自立を支援する観点から、平成17(2005)年に障害者自立支援法が成立しました。しかし、障がいのある人の地域生活を支えるシステムの整備と地域住民、家族の受入態勢が十分とは言い難く、住み慣れた地域での暮らしを望む施設入所者や入院者の地域生活への移行は進んでいるとは言えません。
 また、障がいのある人の多くが授産施設等の福祉施設を利用していますが、ニーズに応じたサービスの提供ができているとは言えず、一般就労への移行も困難な状態にあります。
 地域における障がいのある人に対する理解を促すとともに、施設に入所されている人が、円滑に地域での生活に移行できるよう、地域との交流を推進する必要があります。また、障がいのある人のニーズを踏まえ、入所者の社会的自立や地域生活への移行につながる、社会生活能力を高める支援を推進します。
 本町における障害者手帳等の所持者数は、身体障がい、知的障がい、精神障がいともに年々増加しています。このうち、身体障害者手帳所持者を年齢構成別に見ると、65歳以上が75%を占め、障がいの種類別では、肢体不自由が最も多く、次に年々大幅に増加している内部障がいとなっています。
 障がいのある人一人ひとりのニーズに沿ったきめ細やかなものにしていくためには、サービスの質の向上とサービス基盤の整備が必要となっています。また、精神障がい者及び難病患者に対する福祉サービスの充実も課題となっています。
 さらに、障がい福祉は、心理的な障壁も多いことから、障がいのある人への正しい理解の促進を図り、障がいのある人も障がいのない人もともに住み慣れた地域や家庭で暮らせるよう、環境整備を図る必要があります。

【施策の内容】

総合的な障がい者・児福祉対策の推進

 平成20(2008)年度、実情に応じて見直しを実施した「湯梨浜町障がい福祉計画」に沿いながら、体系的に障がい者・児福祉施策を推進します。

障がい者・児にやさしい基盤整備の充実

 障がいのある人が、不便や不安を感じないような地域づくりを目指し、福祉のまちづくり計画に沿って必要な福祉サービスの充実、道路等の都市基盤の整備及び公共施設のバリアフリー化を推進します。

意識の啓発と交流の推進

 障がいのある人が地域で安心して暮らせるよう、地域での交流の場づくりや機会の拡充を図り、障がいのある人に対する正しい認識や理解を深めていく心のバリアフリー化を推進します。

学習機会の充実

 障がい者・児施設や社会教育施設において、障がいのある人の生活力や生きがいを高めるための学習機会の充実に努めます。
 また、障がいのある人の社会参加や交流の促進を図るため、手話の環境整備及び点字図書等情報入手の充実、パソコン講習会の開催等を行い、障がいのある人の状況に応じたコミュニケーション手段を確保します。  
 さらに、障がいのある人が適切な教育を受けることにより、情報活用能力等の向上を図ります。

雇用・就労への支援

 町自らが障がい者雇用率の法定雇用率(2.1%)達成を図るとともに、町民や企業等に対し、障がい者雇用の啓発に努めます。
 また、障がいのある人の就労促進を図るため、相談体制の充実や就労に向けての斡旋活動を強化し、企業等での雇用を促進します。

地域生活支援施策の充実

 すべての障がいのある人が地域で安心して、自立して暮らせるよう、ヘルパー派遣、ショートステイデイサービス等の地域生活を支えるサービス基盤の整備とその充実に努めます。
 また、障がいのある人が地域社会の中で障がいのない人と同じように生活できるよう、地域社会の中にある住宅で共同生活をするグループホームや、小規模作業所等の施設整備を促進します。

障がい者・児に対する保健・医療サービスの充実

 保健所や医療機関との連携を強化し、障がいの原因となる疾病等の予防や早期発見、早期治療の推進を図り、障がいの軽減や重度化、二次障がい等の防止を図ります。
 また、発達障がいを含め、障がいのある人が自分の希望や生活スタイルに適した福祉サービスを選択し、受けることができる適正なサービス提供を進めます。

人材の確保と育成

 ホームヘルパーガイドヘルパー、手話通訳者等の専門職員の養成研修の充実に努めます。
 また、サービス内容の向上を図るために、事業担当者の研修の充実を図ります。

療育体制の充実

 障がいのある児童が、障がいの種別や年齢にかかわりなく必要な療育を受けられるよう、保育所や幼稚園、学校等の関係機関と連携して療育システムの充実を図ります。

障がいに配慮した教育等の充実

 「共に学び、共に育つ」教育を基本に、障がいのある児童が安心して生活し、児童一人ひとりの状況に応じた教育に努めながら、自らの将来を選択・決定することの出来る社会を目指します。
 また、児童が障がいの有無にかかわらず、相互に理解を深めるための交流を促進します。

災害時における救助対応マニュアルの作成

 防災要援護者登録を基本に、障がいのある人のための災害時救助対応を実践し、その普及推進を図ります。


バリアフリー
障がいのある人やお年寄りが、生活、利用するうえでの障壁を取り除くこと。
障がい者雇用率
「障害者の雇用の促進等に関する法律」によって定められた割合。民間企業、国及び地方公共団体に対し、それぞれ雇用割合が設けられており、民間企業の法定雇用率は1.8%、国及び地方公共団体の法定雇用率は2.1%。
ショートステイ
障がいのある人やお年寄りの介護を行う人が、病気等の理由により一時的に介護が不可能な場合に、施設に期間限定で短期入所し、日常生活の世話や機能訓練等を受けることができる介護サービスのこと。
デイサービス
障がいのある人やお年寄りが、自宅から通いながら、入浴、食事、各種介護、機能訓練、レクリエーション等を受けることができる施設サービスのこと。
グループホーム
認知症のお年寄りや障がい等で生活に困難を抱えた人が、専門スタッフ等の援助を受けながら、少人数、一般の住宅で生活する社会的介護の形態のこと。
ホームヘルパー
心身の障がい等の理由により、日常生活を営むのに支障のあるお年寄りや障がいのある人の家庭を訪ね、身体の介護や家事サービスを提供する人のこと。
ガイドヘルパー
視覚障がいや知的障がいのある人、障がいのため車いすを利用されている人等が外出する際に、歩行や車いすの介助、外出先での食事の介護など、地域社会での自立した生活と社会参加を支援する人のこと。