計画

②林業の振興
【現況と課題】

 森林面積は3,897haで、本町の総面積の約50%を占めており、これらの有効活用は山間農林業者の生活向上に大きな影響を持っています。
 現在、戦後造林されたスギ、ヒノキ等の人工林が間伐時期を迎えていますが、林業採算性の悪化等により林業生産活動も停滞しています。このため、手入れ不足の森林が増えるとともに、竹の繁茂が著しく、森林機能が十分に発揮できていない状況となっています。
 また、担い手の減少と高齢化から適正な森林管理が困難な状況にありますが、森林は木材生産の場だけではなく、洪水や山崩れ等の災害を防止する町土の保全、水源かん養、二酸化炭素の吸収及び保健休養の場など、町民生活に多様な役割を持っており、将来にわたって育てていく必要があります。
 そのため、健全な森林の維持造成に努めるほか、竹林整備を推進する等の環境整備を進め、緑豊かな生活環境を推進していく必要があります。


【施策の内容】

森林の整備・保全

 森林の公益的機能の維持向上を図るため、適切な間伐や枝打ち等の保全対策を推進するとともに、松くい虫等の森林病害虫の防除など、その対策を講じます。
 機能に応じた適切な森林施業を推進しながら、森林整備を図ります。また、公益的機能の発揮に対する要請に適切に対応します。
 森林環境保全税を活用し、竹林整備への取り組みを推進するとともに、支援に努めます。
森林と人とのふれあいの場として、生活環境保全林の環境整備を図ります。

林業生産の振興

 森林整備の推進、生産コストの低減及び山村地域振興を図るため、林道・作業道等の整備を推進します。
 また、森林の保護啓発を推進しながら、造林事業等支援制度の情報提供を行い、林業生産活動の活発化が図れるよう、担い手の育成や労働力の確保など、森林資源の充実を図ります。

林産物の振興

 竹は環境にやさしい林産物であり、竹炭の生産、竹チップ・竹酢液の農業活用など、他の林産物と併せて、地産地消を推進します。

③水産業の振興
【現況と課題】

 本町の水産業は、内水面漁業と海面漁業があります。
 内水面漁業は、東郷池でのシジミ、ウナギ、フナ等の漁獲が中心となっています。しかし、近年シジミの漁獲量が安定していないことや、鵜やヌートリア、外来魚種等の被害も拡大するなど、東郷池の漁場環境が懸念されています。
 海面漁業は、泊漁港(2種)と羽合漁港(1種)、石脇、小浜地方漁港を有し、これらの漁港を中心として漁業が営まれていますが、漁業従事者の高齢化や後継者不足が進行し、漁獲量は減少傾向にあります。
 また、資源水準の低下、輸入水産物の増大、さらには燃油高騰の影響から漁業収入が低迷するなど、大変厳しい状況が続いています。
 東郷池や海岸域を取り巻く環境は改善されつつありますが、資源を守るために継続性のある保全対策が必要です。

【施策の内容】

 漁業後継者及び新規漁業者の育成を図るため、町と漁業協同組合が一体となった取り組みの中で、意欲ある志望者の育成に努めます。
 レジャーとの融合を図る施策を進め、自然と観光を活かした遊漁・渡船事業の促進・支援を図ります。
 燃油高騰等の社会的要因に影響を受けた漁業者に対し、経営安定対策等の緊急措置を行います。
 水産業は豊かな食生活と水域環境保全を支えており、この産業の魅力を幅広く伝えるとともに、地産を全国に情報発信します。

内水面漁業の振興

 東郷池への有用魚類の稚魚放流、シジミの稚貝放流・増殖を推進します。
 また、鵜やヌートリア、外来魚種等の被害対策を実施し、漁場の保全に努めるとともに、資源の安定確保、漁業生産の向上を図ります。
 さらに、東郷池の自然環境保全活動を地域住民との協働により展開し、健全な漁場を確保します。

海面漁業の振興

 泊漁港については、一部老朽化した基盤施設を機能保全整備し、県中部の中核漁港として有効利用を図ります。
 羽合漁港については、沿岸漁業の生産基地として機能するための対策を実施します。
 鳥取県漁業協同組合及び中部漁業協同組合と連携し、アワビ、サザエ、バイ、ワカメ等の種苗放流事業を推進するとともに、沿岸域の漁場資源を確保します。
 また、沿岸域の環境を守るために、各関係機関と連携しながら、保全対策を実施します。


地産地消
地域生産地域消費の略語。地域で生産された農産物や水産物等をその地域で消費すること。