計画

③高齢者福祉
【現況と課題】

 わが国では、平成26(2014)年には総人口のおよそ4人に1人が65歳以上になると見込まれています。本町の状況を見ると、平成17(2005)年国勢調査において、65歳以上人口の割合が25.8%で、全国平均の20.1%、鳥取県平均の24.1%と比較して高齢化が進んでいます。今後、特に団塊の世代がすべて高齢者となる平成22年から平成27年にかけて、高齢者人口は急上昇すると見込まれています。
 また、平成21年10月1日現在の高齢化率は26.9%で、鳥取県平均を上回る高い水準で推移しています。特徴的なことは、65歳から74歳までの高齢者数が、平成12年度(2,273人)と比較して、平成21年度(1,898人)では、約17%減少しています。その反面、75歳以上の高齢者数は、平成12年度(2,100人)と比較して、平成21年度(2,703人)では、約29%増と大幅な伸びを見せています。
 8割を超えるお年寄りは、地域で元気に暮らしていますが、核家族化の進行等によりお年寄りの単独世帯は引き続き増加を続けており、今後、家庭の介護力をめぐる状況はますます厳しさを増していくと考えられます。
 平均寿命が延び、高齢でも元気なお年寄りが増えていることは、非常に喜ばしいことです。しかし、お年寄りにとっても、また、社会全体にとっても、真に豊かな長寿社会を実現するためには、いつまでも健康を保ち、より自立した期間を過ごすことが重要です。
 そのためにも、元気なお年寄りが要介護状態とならないよう、また、たとえ要介護状態となっても、住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、福祉、保健、医療が連携し、地域全体でお年寄りを支える福祉の体制づくりが求められています。
 平成12(2000)年にスタートした介護保険事業は、要介護認定者や介護保険サービスの利用者が年々増加し、着実に制度の定着が進んでいます。しかし、住み慣れた地域の中で利用できる地域密着型サービスの基盤整備が、介護サービス全体の質の向上とあわせて大きな課題となっています。

【施策の内容】

総合的な高齢者福祉対策の推進

 平成21(2009)年度に策定した「湯梨浜町介護保険事業計画」及び「湯梨浜町老人福祉計画」に基づき、総合的な福祉・保健サービスの提供や生きがいづくりの支援を行います。

生きがいづくりと交流事業の推進(生涯学習の推進と社会参加の促進)

 生涯学習と連携した学習機会の充実や老人クラブ活動を支援しながら、自らの経験と知識を活かした世代間交流の推進を図るとともに、各地区公民館や集会施設を活用した仲間づくりを促進します。
 また、お年寄りが生涯にわたって、健康でいきいきと自立して暮らすために、高齢者大学をはじめとして、スポーツ活動や趣味、生きがい活動を推進します。

就業機会の提供(就労対策)

 お年寄りが長年培ってきた豊富な経験や知識、技術、技能等を役立てることができるよう、シルバー人材センターの活動を支援します。

ひとり暮らし高齢者世帯の対応

 社会福祉協議会との連携を図り、保健師等による定期的な訪問により、相談体制の充実に努めながら、不満や不安の解消を図ります。
 また、配食サービスや町内の事業所との連携による安否の確認を行います。

人材の確保と育成

 高齢化社会に対応したきめ細やかなサービスを提供するため、地域で活動するNPO*やボランティア団体の育成、活動支援に努めます。
 また、社会福祉協議会、民生委員児童委員、自治会等関係機関やボランティア団体、福祉推進委員愛の輪協力員等との連携を強化し、地域で支える福祉のネットワークづくりを推進します。

健康づくりと疾病予防の推進

 健康づくりに関する情報の提供を積極的に展開するとともに、健康づくりのための運動教室や病態教室等を推進します。
 また、健康診査や各種がん検診、栄養相談等の充実を図り、生活習慣の改善をはじめとした疾病予防を進めます。

生活支援の充実

 支援を要するお年寄り世帯や独居世帯への保健師等による見守り活動を実施するとともに、社会福祉協議会と連携して、地域での見守り、声かけ等住民相互の支え合いを促進します。
 また、住み慣れた地域で暮らすことができるよう、認知症にやさしいまちづくりを推進します。

生活環境の整備

 高齢となっても、要介護状態となっても、住み慣れた地域で生活することができるよう、移動手段の確保や住宅、公共施設等のバリアフリー化への支援を推進します。


ホームページ
個人や団体がインターネット上で、情報発信するためのページのこと。
NPO
様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し収益を分配することを目的としない団体の総称。
民生委員
厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、社会福祉の増進に努める人で、児童委員を兼ねている。
児童委員
地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるように、子どもたちを見守り、子育ての不安や妊娠中の心配ごと等の相談・支援等を行う。一部の児童委員は、児童に関することを専門的に担当する主任児童委員の指名を受ける。
福祉推進委員
住民が身近な地域において、共に生き、支え合い、それぞれが自立した生活を送ることができる地域づくりを推進していくことを目的として、地域で様々な福祉活動に取り組んでいる。
愛の輪協力員
一人暮らしのお年寄り等に対し、近隣の住民が愛の一声をかけ、温かい援護の手を差し伸べながら、日常生活の不自由な面を補うとともに、緊急時における適切な処置など、安心して暮らすことができる地域社会をつくることを目的として、様々な地域活動に取り組んでいる。
バリアフリー
障がいのある人やお年寄りが、生活、利用するうえでの障壁を取り除くこと。
小規模多機能型居宅介護施設
住み慣れた生活圏で住み続けるための在宅高齢者の支援施設として、24時間365日、切れ目なく連続的に介護サービスを供給できるように、「通い」「泊まり」「訪問」の機能を備えた、規模は小さいながらも多彩な機能を持った施設のこと。