計画

情報通信環境の整備

【現況と課題】

 国の推進するu-Japan政策にも象徴されるとおり、ここ数年のICT(情報通信技術)は、急激に進展しています。これにより、家庭生活における情報化は高度化・多様化し、行政へのニーズもますます高まっています。
 近年、パソコン、携帯電話など、インターネット等を活用した情報通信技術が急速に発達し、膨大かつ多種多様な情報が得られるようになりました。その一方で、情報化の進展について行けないお年寄り等も多く見られることから、情報教育の充実や多様な広報媒体の活用など、情報提供のあり方を検討するとともに、サポートしていくことが課題となっています。
 本町の情報通信整備の状況は、町村合併前から町内全域に防災行政無線の開局や農村型CATVの放送によって、行政情報、防災情報等の各種情報の提供を行ってきました。
 さらに、このCATV網を利用した音声告知機を町内ほぼ全域に設置したことにより、より多くの生活・産業等の情報提供が可能となりました。
 しかし、情報通信設備の老朽化や日々進化する情報化社会に対応するため、平成17年度には防災行政無線のデジタル化整備、平成21年度には光ファイバー網による情報基盤整備(FTTH)を完成しました。CATV局の撮影・編集機材の更新や多用途音声告知機への更新により、町内ブロードバンド環境を構築し、高速通信網が完成するなど、情報通信ネットワークの基盤整備を推進しました。これにより、CATVのデジタル化や町内無料IP電話、高速インターネットを利用できる情報環境が整い、さらなる生活の利便性向上が見込まれています。
 防災行政無線施設の整備については、戸別受信機等を町内のほぼ全世帯に設置して、防災情報及び連絡放送を行っています。今後、通信衛星と防災行政無線施設を利用した全国瞬時警報システム(Jアラート)の活用により、緊急情報を住民へ瞬時に伝達するシステムの推進が求められています。
 また、情報化が進展する一方で、近年コンピューターウイルスが蔓延するなど、その脅威が増しつつあります。個人情報を多く扱う地方自治体では、しっかりとした情報管理と強固なセキュリティー確保等リスクマネジメントが求められているとともに、今後、高速情報通信インフラを活用し、多様化する町民ニーズへの対応や住民サービスを充実していくことが必要です。

【施策の内容】

情報通信ネットワーク基盤整備の推進

 FTTH情報通信ネットワークにより、町民、事業者、行政の共有財産である情報の共有を進めます。
 また、町内公共施設のネットワーク化、庁舎内の機器等の整備を推進し、行政事務や公共サービスの向上、申請手続きの簡素化、福祉、教育、産業等あらゆる行政分野での利用を検討します。

情報技術の活用の推進

 多様化する町民ニーズへの対応や住民サービスの充実を目指し、CATV施設はもとより、通信衛星と防災行政無線施設を利用した全国瞬時警報システム(Jアラート)を活用し、大規模な自然災害等について「早くて・正確な」情報伝達の実施に努めます。

電子自治体構築の推進

 庁内のICT化を推進するとともに、鳥取情報ハイウェイとの接続により、総合行政ネットワークを構築し、窓口のワンストップサービスの推進など、電子自治体の構築を推進します。
 また、イントラネットを活用した電子申請等の行政手続システムの構築を目指すとともに、庁舎統合による総合窓口機能を充実させるため、行政ネットワークの活用を図ります。
 地理情報システム(GIS)の一層の充実、活用を図るため、地籍情報のデータベース化、行政情報のシステム化を推進し、イントラネットにより住民へ情報提供を行います。

情報化に伴う安全対策の推進

 ますます高度化する行政の情報化の基盤となる情報システムや個人情報等の情報資産を守るため、適切な安全対策を講じるとともに、その継続的な評価と見直しを図ります。

個人情報保護の推進

 行政が保有する情報のうち個人情報に関するものは、その収集、管理等について適正な取り扱いをするとともに、自己情報の開示、訂正等の権利を保障することを含め、総合的に個人情報保護の推進を図ります。

情報教育の推進

 情報機器やシステムを活用できる教育環境を整備し、「わかる授業」や学ぶ意欲を高める授業の工夫、地域に向けた学校情報の発信に努めます。
 一方で、多様な情報の氾濫や、情報通信環境の発達により、携帯電話やインターネットを通じた犯罪が社会問題化しており、児童生徒に適切な情報リテラシー(利活用)教育を実施するとともに、児童生徒を通じて家庭や地域を含めた情報教育の推進を図ります。
 また、学校での情報教育の推進はもとより、公民館をはじめ様々な機会を捉えたパソコン教室の開催など、情報教育の推進を図ります。
 さらに、障がいのある人やお年寄りが手軽にICT*を活用できるよう、公共施設にある端末のユニバーサルデザイン化を進めます。

資源・エネルギー対策の推進

【現況と課題】

 わが国では、石油危機以降、省エネルギーの推進と新エネルギーの普及・促進は大きな柱の一つとして位置付けられ、官民をあげた省エネルギーへの努力によって、世界でも最高水準の省エネルギー環境が形成されています。しかし、わが国の温室効果ガス排出量は増加傾向にあり、京都議定書(2005年2月に発効)の削減目標の達成が危ぶまれています。
 このような背景のもと、平成15(2003)年には、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」が施行され、電気事業者に対して、一定量以上の新エネルギー等を利用して得られる電気の利用を義務付けることにより、環境負荷の低い新エネルギーの利用促進に努めています。
 また、平成16(2004)年6月に新エネルギー産業ビジョンを公表し、これまでの新エネルギーの技術開発及び導入推進施策の積み重ねの結果として、産業競争力強化やより自立的な新エネルギー産業の育成という観点から、新エネルギー分野における必要な施策を検討し、新エネルギーの導入普及を一層促進する方向が示されています。
 本町では、平成14(2002)年度に日本海からの風を有効活用しようと、鳥取県内初の風力発電施設1基を潮風の丘とまりに設置しました。環境に配慮したクリーンエネルギーの推進にいち早く取り組み、住民の環境保全に対する意識の啓発に努めるとともに、その取り組みを契機とした省エネルギーの普及促進に努めています。
 また、自然エネルギーを通した環境への意識は、さらなる取り組みの推進を促し、潮風の丘とまりに太陽光発電設備を設置することへとつながりました。以降、段階的に整備し、現在では発電した電力の全部又は一部を同施設内で活用するなど、エネルギー資源の循環に努めています。
 今後、その他の自然エネルギーの活用等も検討していく必要があります。

【施策の内容】

公共施設への新エネルギー導入の推進

 町がこれまで豊富な資源を活かして取り組んできた風力発電等について、これまでの取り組みによる効果を評価したうえで、より一層の取り組みを推進します。
 また、公共施設の整備にあたっては、省エネルギー型の設備や太陽光発電、コージェネレーションシステム(熱電併給システム)等の導入を検討します。

民間施設への新エネルギー導入の推進


 事業者や町民の間で、太陽光発電や風力等の新しいエネルギーの活用が図られるよう、普及・啓発を行うとともに、各種支援制度の検討を行います。
 また、新エネルギーについて、広報や研修会等を通じ、理解を深めます。

省エネルギーの推進

 環境負荷の軽減、脱温暖化を目指し、BDFの公用車への利用を拡大する取り組みを進めます。
 また、ISO14001の鳥取県版であるTEAS(鳥取県版環境管理システム)の導入に努め、町をあげて省エネルギーへの取り組みを推進します。


u-Japan政策
国のユビキタス(いつでも、どこでも、誰でもICTの恩恵を実感できる)社会の実現に向けた政策のこと。
ICT
information and communication technologyの略。情報や通信に関する技術の総称。日本では同様の言葉としてIT(information technology)の方が定着しているが、国際的にはICTの方が通りがよい。総務省の「IT政策大綱」が2004年から「ICT政策大綱」に名称を変更するなど、日本でも定着しつつある。
インターネット
地球規模で広く相互接続されているコンピュータネットワークのこと。
CATV
community antenna televisionの略。電波による無線放送ではなく、ケーブルを用いて伝送するテレビジョン放送。有線テレビジョン放送、またはケーブルテレビジョンともいう。テレビジョン放送の再送信はもちろん、自主制作テレビジョン番組のほかファクシミリ、静止画、文字情報など、音声や音楽を扱う有線ラジオ放送以外のすべての有線放送。
FTTH
光ファイバーによる家庭向けのデータ通信サービスのこと。光ファイバーを一般個人の家屋へ直接引き込んだネットワーク回線により、高速かつ大容量のデータ通信サービスが可能である。
ブロードバンド
電話回線の数十倍以上の高速伝送が可能な大容量・常時接続の通信サービスのこと。
IP電話
電話会社の一般加入電話網を経由せず、インターネットを経由して音声通話を行うサービスのこと。インターネットを使っている部分には通話料金がかからないため、一般加入電話網を使う電話に比べて安く利用できる。
コンピューターウイルス
第三者のプログラムやデータベースに対して意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラムのこと。
セキュリティー
危険から守り安全を保つこと。また、社会の秩序を守ること。不慮の事故や天災から守る防犯と悪意のある人物や団体から守る防犯に大別される。
リスクマネジメント
各種の危険による不測の損害を最小の費用で効果的に処理するための経営管理手法。
ワンストップサービス
一度の手続きで、必要とする関連作業をすべて完了させられるように設計されたサービス体制のこと。
ユニバーサルデザイン
文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障がい・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。
ホームページ
個人や団体がインターネット上で、情報発信するためのページのこと。
温室効果ガス
地球温暖化とは、人間の活動が活発になるにつれて温室効果ガスが大気中に大量に放出され、地球全体の平均気温が上昇する現象のこと。二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン等が温室効果ガスと言われている。
コージェネレーションシステム
発電時に発生した排熱を利用して、冷暖房や給湯等に利用する熱エネルギーを供給する仕組みのこと。
ISO14001
国際標準化機構(International Organization for Standardization)が発行した環境マネジメントシステムに関する国際規格の総称。環境マネジメントシステムとは、企業や自治体等の組織が自らの活動によって生じる環境への負荷を低減するように配慮・改善するための組織的なしくみのことを言う。