計画

学校教育の充実

①就学前教育
【現況と課題】

 幼児期は、生活体験を通して人間形成の基礎が培われる時期であり、就学前教育は同世代との集団生活を通じて、信頼感や自立心を育むとともに、基本的な生活習慣を身につけさせる役割を担っています。
 平成22年度時点では本町には幼稚園が2、保育所(園)が11ありますが、幼児の心身の健やかな成長を家庭や地域とともに育むため、幼稚園・保育所等の別なく、すべての幼児の教育支援体制が必要です。
 また、町内の就学前教育(保育)施設の中には、施設の老朽化や入所児童数の減少など、運営上問題を抱えている施設があります。幼稚園、保育所にかかわらず、町内すべての子どもたちの教育環境を整えていくことが求められています。

【施策の内容】

教育環境の整備

 羽合地域の幼保一体施設は平成24年に完成する予定ですが、東郷地域及び泊地域においても、町及び教育委員会が連携しながら、幼稚園及び保育所のあり方について検討します。将来的には、就学前教育の均衡ある発展を目指し、町内全施設を幼保一体施設としてその運営に努めます。

教育内容の充実

 一人ひとりの発達段階に応じた就学前教育の充実により、基本的な生活習慣、態度を育て、健全な心身の基礎を培うように努めます。
 また、研修体制の充実等により、就学前教育に携わる保育者の資質の向上に努めるとともに、幼稚園及び保育所(園)の別なく、児童の小学校への円滑な接続を図ります。

支援体制の整備

 子育てをめぐる不安等の問題に対する相談体制の充実、配慮が必要な児童や家庭に適切な支援を行うなど、関係諸機関と連携して子育てを支援します。

家庭や地域との連携

 家庭や地域との連携を図りながら教育内容の充実を図り、「生きる力」の基礎や豊かな人間性を育む教育及び家庭の「子育て力」を推進します。

②義務教育
【現況と課題】

 今日の子どもたちを取り巻く社会環境は、少子化による児童生徒数の減少、国際化、高度情報化等大きく変化しています。
 本町には、小学校が3校、中学校が2校あり、児童生徒数は1,530人(平成22年5月1日現在)となっています。また、県中部地区唯一の中高一貫教育校である湯梨浜学園が平成18年度に開校しています。
 現在、各学校では、「確かな学力」や「生きる力」を育むために、児童生徒一人ひとりの個性や能力に応じたきめ細やかな指導や体験的・問題解決的な活動の充実を図っています。また、国際感覚を身につけた児童生徒を育成するため、英語指導助手の招へいや姉妹都市であるアメリカ合衆国ハワイ州ハワイ郡との学校交流を行っており、さらに発展させていくことが望まれます。
 また、社会問題化しているいじめや不登校、少年犯罪等に対し、豊かな人間性を育むための「心の教育」を家庭・地域・学校及び関係機関が連携して取り組むとともに、児童生徒が個々の課題を克服し、将来を生きる力を養うための特別支援教育、キャリア教育の充実が必要となっています。
 学校施設は、地震発生時において、児童生徒の安全を確保するとともに、地域住民の避難場所としての役割も担っています。本町の中学校施設は耐震性がない棟がほとんどですが、統合も視野に入れた施設のあり方について検討する必要があります。

【施策の内容】

教育内容の改善、充実

 各校の創意のもとに特色ある教育を推進し、授業方法の工夫や少人数指導、児童生徒一人ひとりに応じたきめ細やかな指導を行い、基礎学力や学ぶ意欲を育むために少人数学級を継続実施します。
 また、児童生徒が世界的な視野をもって自らの将来を切り開き、家庭や地域の将来を担う力を育むため、地球環境や人、自然との調和の中で個性を活かしながら、情報化や国際化等の世の中の動きに対応する力を養うための学校教育の充実を図ります。
 さらに、教科横断的な学習や社会人講師、地域講師の活用、自然体験やボランティア活動、命の大切さを育むことのできる体験的学習に取り組み、発達段階に応じた自己肯定感の育成や、他者理解の意識・態度の養成について、家庭や地域とともに取り組んでいきます。

特別支援教育の充実

 障がいや配慮が必要な児童生徒に対し、児童生徒はもちろん、教職員や家庭及び地域の理解を促し、共に生きる心や態度を養うとともに、組織的な支援体制の整備に取り組みます。
 また、一人ひとりの可能性を引き出す指導や支援のあり方について、保育所(園)、小中学校、関係機関が連携し、計画的かつ柔軟な特別支援教育の実施に努めていきます。

不登校対策と生徒指導の強化

 不登校や児童生徒及び保護者の様々な要因による不安や悩み等の相談に応じ、解決のための助言にあたるため、教育相談員やスクールカウンセラーの配置を行います。
 また、関係諸機関との連携を図り、就学前から円滑な学校教育に接続するため、家庭や地域の子育て力の養成にも努めます。
 さらに、児童生徒が自立した社会人となるために、集団生活上の規律や正しい倫理観を醸成する教育の充実を図ります。

家庭・地域との連携強化と学校運営の充実

 学校施設の地域への開放を進め、学校・家庭・地域社会が連携して児童生徒を育てる体制の充実に努めます。
 学校評議員制度や学校評価制度、ボランティアスタッフの活用等により、保護者や地域の方々の学校への参画を推進し、家庭や地域と共に学校運営の充実に努めます。

学校施設・設備の整備

 中学校については耐震化工事が急務ですが、出生数の減少等により生徒数の減少は必至であるため、統合も視野に入れて検討します。
 施設の新設や改修にあたっては、児童生徒等が安全で、安心して学ぶことができる質の高い教育環境整備を行います。
 スクールバスの運行については、現状の業務委託方式を継続します。
 また、コンピューター等の設備も、計画的に整備や更新を進めます。


特別支援教育
従来の障がい児教育の対象だけではなく、学習障がい、注意欠陥/多動性障がい、高機能自閉症を含めて障がいのある児童生徒等の自立や社会参加に向けて、一人ひとりの教育的ニーズを把握して、持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するために、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うもの。
少人数学級
鳥取県では、平成14(2002)年度から義務教育への導入時と中学校入学後に急増する諸課題を未然に防止するため、小学校1・2年生、中学校1年生についての学級編制の少人数化を実施している。様々な教育課題を解決するため、児童・生徒一人ひとりに応じたきめ細やかな指導を充実させ、学校生活への対応の円滑化、基本的な生活習慣の習得、基礎学力等の定着を図ることを目的とする。湯梨浜町では、小学1・2年生30人、小学3〜中学1年生33人、中学2・3年生35人の少人数学級を実施(平成22年度)。
スクールカウンセラー
臨床心理学等を修め、個人の各種の悩みや心理的問題について相談に応じ、解決のための援助・助言をする専門家。
学校評議員制度
学校が、地域住民の信頼に応え、家庭や地域と連携協力して教育活動を展開するために、中央教育審議会が答申した制度のこと。