計画

消費者安全対策の推進

【現況と課題】

 近年、わが国においては、規制緩和が進められるとともに、高度情報化社会や国際化の進展、高齢化の進行など、経済社会の著しい変化に伴い、消費者を取り巻く環境も日々大きく変化しています。そのため、消費者問題についても、より多様化、複雑化する傾向が見られます。
 消費者行政の前提となる健全な消費生活の基盤や行政に対する信頼が大きく揺らぐ中、消費生活の問題を総合的かつ抜本的に解決していくための新たな枠組みを構築するため、平成21年9月に消費者庁が創設されました。「消費者の権利の尊重」と「自立の支援」を基本理念とする「消費者基本法」に基づき、新たな「消費者基本計画」を定めるとともに、消費者政策の計画的、一体的な推進に取り組みはじめています。
 本町の消費者行政は、鳥取県消費生活センターを拠点にしながら、消費者保護と消費者教育を大きな柱として展開しています。しかし、消費生活相談は年々増加し、インターネットをはじめとする高度通信技術を利用した新たな商法の出現、お年寄りをはじめ社会的弱者を狙う悪質商法、多重債務など、時代を背景とした様々な問題が山積しています。
 また、食の安全、環境問題、国際化についての消費者の関心は高く、広範な社会問題に対してきめ細やかな対応が不可欠となっています。近年、事業者としての信頼を損なう事件が発生しており、企業の自主行動基準の策定も求められています。
 今後、消費者トラブルの解決と被害者救済を図り、消費者利益を擁護しながら、消費者の権利を確立する施策の展開が必要です。

【施策の内容】

苦情、相談体制の確立

 消費生活に関わる被害を未然に防止するために、鳥取県消費生活センターをはじめ、国、県等の公的相談機関と連携し、情報提供や被害の解決を図る消費生活相談機能の充実に努めます。
 また、判断が不十分な成年者を保護するための成年後見制度についても制度の啓発に努めるとともに、本制度の利用が必要であると認めた場合には、成年後見等の申立てを行うなど、支援体制の充実を図ります。

消費者の意識啓発

 消費者の自立支援のため、消費者が自ら判断し、選択できるよう、必要な知識の普及や情報提供に努めます。
 また、環境保全や安全の確保等について、消費者団体との連携を図りながら、啓発活動の一層の充実に努めます。

消費者の意見の反映

 消費者の意見が、町の消費者施策や事業者の事業活動に反映されるよう、環境整備に努めます。

消費者活動の支援

 消費者団体の育成・強化に努めながら、自主的な消費者活動を支援します。

消費者関係法令整備等の要請

 消費者被害の未然防止や被害にあった消費者の救済を一層強化するために、消費者関係法制度の整備や施策の充実を国や県に要請します。

適正取り引きの確保

 消費者と事業者との間の適正な取り引きを確保するため、必要な情報提供や適正な勧誘が行われるよう、事業者、消費者団体及び関係機関との連携を図ります。

環境負荷の低減

①環境保全
【現況と課題】

 地球温暖化は、私たちの人間活動により、温室効果ガスの大気中濃度が増加し、太陽からの日射や地表面から放射する熱の一部がバランスを超えて温室効果ガスに吸収されることで地表面の温度が上昇する現象です。急激な気温の上昇により、海面水位の上昇に伴う陸域の減少や豪雨、干ばつ等の異常気象が増加したり、生態系への影響や砂漠化の進行、農業生産や水資源への影響、マラリア等熱帯性感染症の発生数増加など、地球環境への影響が懸念されています。
 平成17(2005)年には、温室効果ガスの排出削減目標を定めた京都議定書が発効され、日本では「地球温暖化対策の推進に関する法律」を平成11(1999)年4月に施行しています。この法律に基づき、自らの事務及び事業に関して、温室効果ガスの排出を抑制するための実行計画を策定し、目標達成に向けた様々な取り組みを推進していく必要があります。
 本町においても、温室効果ガスを排出しない循環型社会の構築を目指して、環境学習・環境教育の推進をはじめ、家庭、職場、地域における積極的な展開を促進し、総合的な環境保全対策に努める必要があります。

【施策の内容】

環境教育・環境学習の推進

 幼児期から環境問題に対する意識を高めていくために、保育所、幼稚園の保育活動に物を大切にする取り組み等の活動を取り入れます。

率先行動の推進

 町自ら率先して省資源・エネルギーやグリーン購入温室効果ガスの排出量を抑制する措置を図るとともに、町民、事業者の環境保全に対する意識の高揚を図ります。

環境情報の整備・提供

 環境施策の効果的な推進を図るとともに、町民、事業者の環境への取り組みを促進します。
 そのため、環境情報を体系的に整理しながら、広報活動の充実に努めます。

地球環境に配慮した行動の普及促進

 地球温暖化やオゾン層の破壊等の地球環境問題に対処するため、日常生活や事業活動において、地球環境に配慮した行動が進められるよう、その普及促進を図ります。

循環型社会への基盤構築を推進

 ごみを出さない循環型社会の基盤を構築するため、生ごみを回収し、液肥化して農作物に循環使用するサイクルを確立しながら、温室効果ガスの排出を削減します。

②公害対策
【現況と課題】

 環境基本法(平成5年法律第91号)において、国・地方公共団体・事業者・国民の責務が明示され、事業活動に伴う公害については、公害関係法令の整備等の対策が講じられています。
 本町では、幸い大きな公害問題は発生していませんが、建築廃材の野焼きや不法投棄等が町内の様々な場所で見られ、生活環境への影響が懸念されます。
 このため、町民の環境意識の高揚を図るとともに、野焼きや不法投棄を防止するための監視体制を強化していく必要があります。
 私たちが生活したり、事業活動したりすることにより環境負荷が生じます。生活様式の多様化、都市化・過密化に伴い、生活騒音等の環境負荷に対する苦情等が予想されることから、発生抑制対策を推進していく必要があります。

【施策の内容】

事業活動に伴う公害防止対策の推進

 事業活動に伴う公害の発生を未然に防止するため、大気汚染防止法や水質汚濁防止法、騒音規制法等に基づき、的確な状況の把握、規制や指導を行うとともに、環境監視体制の充実を図ります。

自動車公害防止対策の推進

 ノーマイカー運動の実施など、交通量抑制のための啓発や天然ガス・電気自動車等の低公害車、BDF燃料の普及を促進するとともに、ディーゼル排ガスの規制強化等の発生源対策や道路構造等の改善を国や関係機関に要望します。

有害化学物質等による環境汚染の未然防止

 有害化学物質(ダイオキシン類等)の排出削減を指導するとともに、未規制化学物質等の使用実態、環境に及ぼす影響等を調査し、事業者とともに環境保全活動に取り組みます。

③廃棄物対策
【現況と課題】

 現在、本町では、ごみ処理の有料化とともに、ごみの分別収集によるリサイクル活動を推進しながら、ごみの減量化を図っています。分別種目は「可燃ごみ・不燃ごみ・可燃性粗大・不燃性粗大・ビン・スチール・アルミ・スプレー缶・資源ごみ(古紙・布・発泡スチロール・ペットボトル)・生ごみ・廃食用油」と14品目に渡りますが、全世帯への分別手引きの配布や各区での分別研修会の開催により、おおむね順調に運用がなされています。
 そのほか、家庭用生ごみ処理機器の購入費補助や再生資源回収団体への報償金支出等の取り組みにより、ごみの減量化が進んでいるところです。
 平成21年度、町内から排出される1人1日あたりのごみ量は821g(県平均914g)で、県内19市町村中13番目でしたが、家庭から排出される生活系のごみに限っては499g(県平均593g)で、県内2番目と十分な減量化がなされています。リサイクル率に関しても29.7%(県平均23.3%)で、県内4番目と着実に取り組みの成果が表れており、環境負荷軽減へ向けたさらなるリサイクル活動の推進が望まれています。
 また、町内におけるポイ捨てや犬のフンの放置、不法投棄等ごみの不適切な処理や海岸部への漂着物が生活環境に与える影響も大きくなっています。そのため、廃棄物の適切な処理を啓発しながら、ポイ捨て・不法投棄等について防止策を講じる必要があります。
 さらに、漂着物や悪質な不法投棄については、関係機関と連携を図りながら適切な処理を行い、住民の安全で快適な生活を保全することが重要です。

【施策の内容】

ごみ減量化、リサイクルの推進

 家庭から排出されるごみの分別収集の徹底や生ごみ処理機の購入費補助制度の活用、再生資源回収団体への援助等により、ごみの減量化や資源のリサイクルを推進します。

環境美化運動の推進

 自主的な環境美化を進める住民団体や組織等の支援を行い、住民による環境保全活動を推進します。
 また、環境美化促進員の活動により、ポイ捨てやペットのフン害の防止に努めます。

不法投棄・漂着物対策の推進

 不法投棄や漂着物等の状況を把握するとともに、不法投棄監視員によるパトロールや監視カメラの設置など、不法投棄の監視や取り締まりを強化します。


インターネット
地球規模で広く相互接続されているコンピュータネットワークのこと。
成年後見制度
精神上の障がい(知的障がい、精神障がい、認知症等)により、判断能力が十分でない人が不利益を被らないように家庭裁判所に申立てをして、その人を援助してくれる人を付けてもらう制度のこと。
温室効果ガス
地球温暖化とは、人間の活動が活発になるにつれて温室効果ガスが大気中に大量に放出され、地球全体の平均気温が上昇する現象のこと。二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン等が温室効果ガスと言われている。
グリーン購入
製品やサービスを購入する際に、環境を考慮して、必要性をよく考え、環境への負荷ができるだけ少ないものを選んで購入すること。