計画

自然環境の保全と活用

【現況と課題】

 本町の東郷池をはじめとする海、川、山等の美しい自然は、かけがえのない財産であり、町活性化のための重要な資源です。先人たちが育ててきたこの豊かな自然環境を、町民の共有財産として次世代に引き継いでいかなければなりません。
 そのため、無秩序な開発により自然環境が破壊されることがないよう、適切な規制と誘導を実施していく必要があります。
 また、自然は、生活にやすらぎとうるおいを与えるなど、私たちの生活にとって必要不可欠なものであることから、本町の財産であり、誇りでもある豊かな自然環境が、住民や訪れる者の憩いの場となるよう、有効に利用することが望まれています。
 今後、海、山、東郷池等を本町のシンボルとして、産業や観光との調和を図り、資源として活用していくとともに、地域と協力しながら、守り育てていくことが必要です。

【施策の内容】

自然とふれあい空間の保全と創造

 環境と共生したうるおいのある生活圏の創造に向けて、海、池、川、山等の自然環境の維持に努めるとともに、環境ボランティア団体の支援、衛生環境等の学習の場の提供、「湯梨浜町ふるさとを守る環境美化条例」の周知徹底に取り組みます。

東郷池の水質浄化

 県や関係機関、ボランティア団体と連携を図りながら、「東郷池水質管理計画」に基づき、水質の浄化と環境整備に努めます。

学習機会の提供及び情報の整備・活用

 自然環境の保全に関する正しい理解や知識の普及・啓発を図るため、町民が自然とふれあい、学ぶ機会を提供するとともに、自然環境に関する情報の整備や活用に努めます。

自然保護活動への支援

 町民、事業者等の自主的な環境保全活動の支援に努めます。

開発行為との調整

 開発については計画的に行い、自然破壊を誘発しないよう指導します。

貴重な自然環境の保全

 松くい虫等被害を受けている松林については、山林等の機能保全だけでなく、景観的にも好ましい状況とは言えません。
 そのため、松くい虫に耐性のある松や広葉樹を中心とした樹種転換等を積極的に推進しながら、自然環境の保全に努めます。
 また、有害鳥獣により作物等が荒らされる被害も増えていることから、有害鳥獣対策の推進を図ります。

災害に強いまちづくりの推進

①防 災
【現況と課題】

 近年では、平成7(1995)年の兵庫県南部地震をはじめ、平成12(2000)年の鳥取県西部地震、平成16(2004)年の新潟県中越地震、平成17(2005)年の福岡西方沖地震など、日本列島のいたるところで大地震に見舞われ、多大な被害をもたらしています。また、台風や集中豪雨等の風水害による被害も拡大し、防災上の様々な教訓を残しました。
 町ではそれらの教訓を踏まえ、平成19(2007)年に「湯梨浜町地域防災計画」を策定し、様々な災害への対策を検討しています。しかし、火災発生時の初期消火や大規模な災害時には地域で助けあうことが重要であることから、自主防災組織を育成・支援することが必要となっています。
 また、人口の高齢化や女性の社会進出により、昼間の地域社会ではお年寄りと子どもの比率が高くなることから、お年寄りや障がいのある人等の要援護者に対する地域ぐるみでの避難誘導や安全対策の充実も大きな課題のひとつとなっています。
 社会構造の変化や高齢化が進む中で、本町でもこのような災害が発生すると、被害が広範囲に及ぶことが予測されます。
 このため、災害の未然防止と被害を最小限度に止めることができるよう、防災機能の強化やライフラインの確保、防災体制の強化・充実を図ることが求められています。
 また、地域内の避難誘導案内表示板の設置や避難場所の確認など、行政との連携を十分に深めていくことが大切です。今後、さらに防災業務を効果的に推進していくために、町民一人ひとりの防災意識の高揚と防災知識の普及を図り、防災体制の強化、充実を図っていく必要があります。

【施策の内容】

地域防災計画の充実

 総合的な災害対策の基本となる「湯梨浜町地域防災計画」を指針とし、災害に強い安全な地域づくりを推進するため、総合的な防災対策の強化に努めます。
 地域防災計画は、定期的な見直しを行い、災害発生時に迅速かつ的確な対応ができるよう内容の充実を図ります。

防災体制の確立

 災害に強いまちづくりを目指し、庁舎等防災拠点となる建築物の耐震性の向上を図るとともに、職員一人ひとりの防災意識を高め、災害時等における危機管理力の強化を図ります。
 さらに、他市町との広域的な消防相互応援体制の強化を図ります。

公共施設の耐震強化

 公共施設の耐震診断調査を進め、補強が必要な場合は耐震補強工事を実施します。
 さらに、新耐震設計法に適合していない町内の一般住宅の木造住宅耐震診断・耐震改修を促進し、震災に強いまちづくりに努めます。

地域防災力の向上

 大規模な災害が起きた時には、行政機関や自治体の公的支援を得るには相当の時間を要するため、自分たちで自分たちの身の安全を守り、隣近所の人たちと協力して被害にあった人たちを救助・救援していくことが重要となります。
 このため、自治会単位で組織される自主防災組織の育成を図ります。災害発生時において、お年寄りや障がいのある人等の要援護者への対応が的確に行われるように災害時要援護者支援計画を作成し、地域との連携・協力体制の確立に努めます。
 また、災害時に地域の被害を最小限に抑えるため、全国瞬時警報システム(Jアラート)の活用や防災マップの周知、防災訓練、防災講演会、救急講習等により、日ごろから防災への備えを進めるとともに、防災・災害ボランティアの育成及び支援を行います。

治水・治山対策の推進

 災害時の危険度が高い、県が管理する二級河川等の治水対策を推進します。
 また、土砂災害や山地崩壊等を防止するため、土砂災害特別警戒区域を中心に、治山・砂防事業等を推進します。

②消防・救急
【現況と課題】

 本町の住宅構造は木造建築が多く、また、幅員の狭い道路によって消火活動が制限される地域も多いことから、大火災の発生が懸念されます。このため、防火意識の啓発を図るとともに、火災が発生した場合の初期消火や避難等の迅速な対応ができる体制づくりが求められています。
 本町の消防体制は、常備消防である鳥取中部ふるさと広域連合消防局と非常備消防である消防団で構成されています。消防団は、新規団員が確保しづらいことや昼間在住団員の減少等により、基盤が弱体化しつつあります。このため、地域の自主防災組織の確立や連携など、消防組織の強化が求められています。
 また、自衛消防団所有の消防用車両、小型動力ポンプなど、老朽化した消防設備を順次更新していく必要があります。
 救急に対する需要は年々増加の傾向にあり、また、救命救急処置に関しては高度化が求められています。このような状況を踏まえ、救急活動体制の充実や研修等により、救急隊員の知識や技術の向上を図る必要があります。
 消防無線については、災害時における消防活動上の重要な情報伝達手段として、アナログ通信方式で行われてきましたが、デジタル伝送等の通信ニーズの多様化に対応するため、デジタル通信方式の導入が求められています。

【施策の内容】

消防体制の整備・充実

 町民の人命と財産を火災から守るため、鳥取中部ふるさと広域連合消防局との連携を密にした消防体制の確立を図ります。
 消防活動や災害時に地域の防災を担う消防団員の確保や昼間の出動体制を考慮した消防組織づくりを行うとともに、各種災害に対応できる機動力ある組織づくり、消防団員の資質の向上に努めます。
 また、小型動力ポンプやポンプ自動車等消防資機材の充実や、消防用無線のアナログからデジタル化への推進を図ります。
 さらに、耐震性防火水槽等の消防水利の適正配置や順次更新を行うとともに、水利の確保を図ります。

火災予防の推進

 効果的な査察の実施と指導により防火管理の徹底を図るとともに、お年寄りを対象とした住宅防火診断を実施するほか、住宅用防災機器の設置について普及促進を図ります。
 また、火災予防運動等幅広い広報活動を推進し、その啓発を図ります。

救急活動の充実

 近隣市町も含めた各医療機関との連携を強化するとともに、町民に応急手当の方法や救急車の適正な利用方法等を普及・啓発し、病院前救護体制の充実を図ります。


アダプトプログラム
アダプト(adopt)は、英語で養子にするという意味。道路や河川等の公共の場所を養子に見立て、住民や企業等が里親となって、美しい生活環境や快適な空間をつくるシステムのこと。