計画

4.安全で住みやすく環境と共生するまちづくり

交通環境の充実

【現況と課題】

 本町の交通網は、高規格道路の国道9号青谷羽合道路、東西に走る国道9号、倉吉市から国道9号に接続する国道179号及び倉吉市から国道9号青谷羽合道路に接続する主要地方道倉吉青谷線、JR山陰本線を骨格軸として形成されています。
 国道及び県道の舗装率は100%となっていますが、歩行者の安全対策としての歩道整備等は十分とは言えず、より一層の道路環境の整備が望まれます。 
 また、町道の舗装率は95.4%となっていますが、幅員の狭い道路が多く、火災をはじめ災害発生時等の緊急時において、緊急車両・救急車両等の進入が阻まれるおそれがあることから、早急な改善、改良が必要となっています。
 鉄道は、JR松崎駅及びJR泊駅がありますが、利用者数は減少傾向にあり、通勤・通学利用者の利便性の向上など、鉄道利用の促進を図る必要があります。

【施策の内容】

山陰道の整備

 都市圏との経済・文化的交流の促進を図り、地元経済の発展を推進していくために、山陰道の早期全線開通を強く要請します。
 また、山陰道の整備により交通量の増加が予想されるため、交通事故防止の対策を要望します。

国道の整備

 国道9号は、歩行者の安心・安全を確保するため、歩道新設・拡幅を要請するとともに、整備にあたってはバリアフリー化を要請します。
 国道179号は、田後地区の慢性的な交通渋滞の解消及び歩行者の安心・安全を確保するため、全線での道路改良を要請します。

主要地方道の整備

 主要地方道倉吉青谷線は、現在事業推進中の引地・松崎地区の整備促進と方地地区の事業化を要請するとともに、倉吉市と国道9号青谷羽合道路を結ぶ主要な観光・流通ルートとして、沿線町民の生活環境改善を含めた一体的な整備を要請します。
 また、倉吉川上青谷線は歩道設置を要請します。

一般県道の整備

 一般県道は、歩行者の安心・安全を確保するため、県道長和田羽合線及び東郷羽合線の歩道設置を要請します。
 その他の県道も、良好な生活環境及び円滑な交通手段を得るため、町道網との協調を図りながら、整備を要請します。

町道の整備

 町道は、社会資本整備総合交付金、合併特例債、地方道路整備事業債等を活用して整備を進めます。
 特に、通学路・集落地内の道路整備、騒音対策、歩道の設置、橋梁修繕等の工事を推進し、安心・安全な道づくりを行います。
 また、集落地内等の幅員の狭い道路は、災害時の緊急車両や福祉車両等の通行を確保するため、拡幅整備等を推進します。

公共交通の整備及び支援

 高齢者の外出支援を行うとともに、バス利用の促進を目的として高齢者定期券を購入する者に助成を行います。
 また、路線バス利用者協議会を設置し、福祉や観光振興等の観点も踏まえながら、公共交通ネットワークのあり方を検討します。

鉄道の利用促進

 鉄道の利用促進を図るとともに、JR松崎駅前及びJR泊駅前の駐車場・駐輪場の適切な管理に努め、通勤、通学者の利便性の向上を図ります。
 また、排気ガスによる大気汚染の軽減、温室効果ガスCO2排出量の削減を図るため、パークアンドライドの促進など、環境にやさしい取り組みを推進します。

 

公園・緑地の整備

①景 観
【現況と課題】

 近年、個人の価値観は、量より質を求めるものへと変化し、生活空間の質の向上という観点から、個性ある美しいまちなみや景観の形成が求められています。このような社会環境の変化の中、国では良好な景観の形成を促進するため、平成16(2004)年に「景観法」を制定しました。その流れを受けて、県では平成19(2007)年に「鳥取県景観形成条例」を制定し、うるおいのある豊かな自然環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現に努めています。
 本町は、東郷池の水辺景観や白砂青松の海岸、緑豊かな山々といった景観資源に恵まれていますが、荒廃農地の増加等が目立ち、本町の基幹産業である観光業にも影響を及ぼしています。
 そのため、「景観法」「鳥取県景観形成条例」に基づきながら、本町の景観資源を活かす方策を検討し、町全体の活性化を図る必要があります。
 また、良好な都市景観の形成には、町民、事業者、行政の協働が重要であり、それぞれが役割を果たしながら、個性と魅力あふれる都市景観を守り、つくり、育てていくことが必要です。

【施策の内容】

総合的景観施策の展開

 「景観法」「鳥取県景観形成条例」に基づき実施される景観形成施策や景観形成活動について、町民、事業者、行政の役割を明確にしながら、東郷池の美しい景観等の保全・活用に努めます。
 また、東郷池等の景観資源を活かしたまちなみづくりを町民との協働により進めていくため、町民の意識啓発や活動に対する支援を検討します。

自然景観の保全と育成

 本町の代表的な自然景観である東郷池の景観の保全と美化活動について、地域住民と協働しながら、取り組みの推進を図ります。
 そのため、「湯梨浜町ふるさとを守る環境美化条例」の啓発に努めるとともに、環境美化促進員の現地見回りを徹底し、ポイ捨て等による景観破壊を未然に防ぎます。
 また、東郷池の水質浄化については、県が作成した「東郷池水質管理計画」及び「東郷池アクションプログラム」の目標達成に向けた協力と推進体制の充実を図ります。

地域の景観資源の保全と活用

 歴史的景観資源や地域に残るシンボル景観など、地域の景観資源を保全・活用した景観形成の誘導に努め、次代に継承できる美しいまちなみづくりの推進を図ります。

地域の特性を活かした都市景観の形成

 道路、公園等の公共空間や公共建築物の整備・更新においては、周辺のまちなみとの調和に配慮した景観の創出に努めます。

産業(農業・観光)との連携

 本町では、自然景観と関わりの深い農業や観光産業が基幹産業となっているため、これら産業と一体となったまちなみ景観づくりに努めます。
 また、耕作放棄地の荒廃を防ぐため、遊休農地に景観作物の栽培を奨励し、うるおいとやすらぎを感じる空間の形成を図ります。

景観意識の向上

 町民、事業者、関係機関との連携を図り、まちに対する誇りや愛着を高め、違法屋外広告物の撤去活動やポイ捨て等の防止の啓発に努め、環境美化活動を推進します。
 また、年齢を問わず、あらゆる機会を捉えながら、景観保全活動実践者の指導も含めた環境教育を実施し、環境意識の高揚を図ります。

②公園・緑地
【現況と課題】

 公園は、自然と親しめる身近な場として大きな役割を果たすとともに、地震等の災害時に、町民の避難や救援・救助活動の拠点ともなることから、計画的に整備を図る必要があります。
 本町では、県立東郷湖羽合臨海公園をはじめ、4カ所を都市計画公園に指定しています。特に、県立東郷湖羽合臨海公園は公園としての利用だけでなく、本町の観光拠点ともなることから、様々な分野との連携を図りながら、機能の充実や適正な維持・管理を図る必要があります。
 また、東郷池周辺に点在している施設のネットワーク化を図ることにより、観光の核ともなる魅力的な公園づくりを進める必要があります。

【施策の内容】

拠点となる公園施設の整備

 県立東郷湖羽合臨海公園や東郷運動公園など、本町の中心となる公園については、レクリエーション機能や防災機能等の強化を図ります。
 また、県立東郷湖羽合臨海公園を核にしたネットワーク形成を図るなど、地域住民や滞在型観光者の利用を促進するための施策を要請します。

特色のある公園・緑地の整備

 公園整備にあたっては、東郷池の景観を活かした自然とふれあえる場、スポーツが楽しめる場、四季折々の花や木を観賞できる場など、それぞれ特色を持った公園づくりを進めます。
 また、公園利用者が使いやすく、安心して利用できるよう、地域住民との協働による適正な維持・管理に努めます。


バリアフリー
障がいのある人やお年寄りが、生活、利用するうえでの障壁を取り除くこと。
温室効果ガス
地球温暖化とは、人間の活動が活発になるにつれて温室効果ガスが大気中に大量に放出され、地球全体の平均気温が上昇する現象のこと。二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン等が温室効果ガスと言われている。
パークアンドライド
自宅から自家用車で最寄りの駅まで行き、駅に近接した駐車場に駐車した後、バスや汽車等の公共交通機関を利用して勤務先まで通勤する方法。