計画

C障害者福祉
【現況と課題】

 わが国の障害者福祉は、2000(平成12)年の社会福祉基礎構造改革を大きな転機として、2003(平成15)年度にこれまでの措置制度から福祉サービスを自ら選択し利用する支援費制度に移行しました。
 この支援費制度も急増する精神障害者が対象になっていないなど、財政的な問題も含め、多くの課題があったことから、障害のある人の地域生活と就労を進め、自立を支援する観点から、2005(平成17)年に「障害者自立支援法」が成立したところです。
 また、近年では、障害のある人が障害のない人と同じように生活し、活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念に則って、地域において、共に暮らし、学び、働く、豊かな地域社会づくりが求められています。
 本町は、これまで障害者計画などを基本として施策を推進してきましたが、新しい制度への対応や障害の重度化、障害のある人の高齢化といった新たな問題への対応が求められています。
 本町における障害者手帳などの所持者数は、身体障害者、知的障害者、精神障害者ともに年々増加しています。このうち、身体障害者手帳所持者を年齢構成別に見ると、65歳以上が約7割を占め、障害の種類別で見ると、肢体不自由が最も多く、次に内部障害となっており、いずれも増加傾向にあります。
 障害のある人一人ひとりのニーズに沿ったきめ細かなものにしていくためには、サービスの質の向上とサービス基盤の整備が必要となっています。また、精神障害者及び難病患者に対する福祉サービスの充実も課題となっています。障害のある人の自立と社会参加の重要な柱である雇用の確保は、企業への啓発なども含めて有効な施策の検討が必要となっています。
 さらに、障害者福祉は、心理的な障壁も多いことから障害のある人への正しい理解の促進を図り、障害を持つ人も持たない人もともに住み慣れた地域や家庭で暮らせるよう、環境整備を図る必要があります。

【施策の内容】

総合的な障害者福祉対策の推進

 2006(平成18)年度に「障害者計画」の見直しを行い、この計画に沿って体系的に障害者福祉施策を推進します。

障害者にやさしい基盤整備の充実

 障害のある人が、不便や不安を感じないような地域づくりを目指し、必要な福祉サービスの充実、道路などの都市基盤の整備及び公共施設のユニバーサルデザインを推進します。

意識の啓発と交流の推進

 障害のある人が地域で安心して暮らせるよう地域での交流の場づくりや機会の拡充を図り、障害のある人に対する正しい認識や理解を深めていく心のバリアフリー化を推進します。

学習機会の充実

 障害者施設や社会教育施設において、障害のある人の生活力や生きがいを高めるための学習機会の充実に努めます。
 また、障害のある人の社会参加や交流の促進を図るため、パソコン講習会の開催などを行い、情報活用能力などの向上を図ります。

雇用・就労への支援

 町自らが障害者雇用率の法定雇用率(2.1%)の達成を図るとともに、町民や企業などに対し、障害者雇用の啓発に努めます。
 また、障害のある人の就労促進を図るための相談体制や斡旋活動を強化し、企業などでの雇用を促進します。

地域生活支援施策の充実

 すべての障害のある人が地域で安心して、自立して暮らせるよう、ヘルパー派遣、ショートステイデイサービスなどの地域生活を支えるサービス基盤の整備とその充実に努めます。
 また、障害のある人が地域社会の中で障害のない人と同じように生活できるよう、グループホームや小規模作業所などの施設整備を進めます。

障害者に対する保健・医療サービスの充実

 保健所や医療機関との連携を強化し、障害の原因となる疾病などの予防や早期発見、早期治療の推進を図り、障害の軽減や重度化、二次障害などの防止を図ります。
 また、障害のある人が自分の希望や生活スタイルに適した福祉サービスを選択し、受けられる適正なサービス提供を進めます。

人材の確保と育成

 ホームヘルパーガイドヘルパー、手話通訳者などの専門職員の養成研修の充実に努めます。
 また、サービス内容の向上を図るために、事業担当者の研修の充実を図ります。

療育体制の充実

 障害のある子どもが、障害の種別や年齢にかかわりなく必要な療育を受けられるよう、保育所や幼稚園、学校などの関係機関と連携して療育システムの充実を図ります。

障害に配慮した教育等の充実

 「共に学び、共に育つ」教育を基本に、障害のある児童生徒一人ひとりの状況に応じた教育に努めます。また、障害のある児童と障害のない児童が、相互に理解を深めるための交流を促進します。

災害時における救助対応マニュアルの作成

 障害のある人のための災害時の救助対応マニュアルを作成し、その普及推進を図ります。


支援費制度
2003(平成15)年度から始まった障害者福祉サービスの新たな利用制度。障害のある人が事業者との対等な関係に基づき、自らサービス提供者を選択し、契約によってサービスを利用する制度。
ノーマライゼーション(再掲)
どのような障害を持つ人であっても特別視せず、社会に生活する個人として、一般の社会に参加し、行動できるようにすべきであるという考え方。
ユニバーサルデザイン(再掲)
障害の有無、年齢、性別、人種などにかかわらず、はじめからだれもが利用しやすいように、施設、環境、製品、情報などをデザインするという考え方。
バリアフリー(再掲)
障害のある人やお年寄りの生活や活動に不便な障害を取り除くこと。
障害者雇用率
障害者の雇用の促進等に関する法律第11条及び第14条に基づき、国・地方公共団体及び一般事業主が雇用すべき雇用障害者数の割合。1998(平成10)年7月1日から、国・地方公共団体の法定雇用率は2.1%、一般事業主の法定雇用率は1.8%。
ショートステイ
障害のある人の介護を行う人が、病気その他の理由により居宅において介護をすることができない場合に、障害のある人が短期間施設に入所し、必要なサービスを提供すること。
デイサービス
在宅の障害のある人に対し、通所によって創作的活動や機能訓練などの各種サービスを提供すること。
グループホーム(再掲)
認知性などのお年寄りや就労している知的障害者などが食事、相談その他の日常的生活援助を受けながら、小人数で民間住宅などで共同生活する形態。
ホームヘルパー
寝たきり老人などの世話、また家族に病気・障害があるなどの理由によって、日常生活に支障がある家庭に派遣され、家事全般を代行する人のこと。
ガイドヘルパー
視覚障害、全身性障害や知的障害のある人の外出時の付き添い介助を専門に行う、ヘルパーのこと。