計画

A林業の振興
【現況と課題】

 森林面積は3,942haで、本町の総面積の51%を占めており、これらの有効活用は山間農林業者の生活向上に大きな影響を持っています。
 森林の内訳は、民有林野82.3%、公有林野17.7%で、人工林率は45.1%となっています。
 現在、戦後造林されたスギ、ヒノキなどの人工林が間伐時期を迎えていますが、林業採算性の悪化などにより林業生産活動も停滞しています。このため、手入れ不足の森林が増えるとともに、竹の繁茂により森林機能が十分に発揮できていません。また、担い手の減少と高齢化から適正な森林管理が困難な状況にありますが、森林は木材生産の場だけでなく、洪水や山崩れなどの災害を防止する町土保全、水資源のかん養、二酸化炭素の吸収及び保健休養の場など、町民生活に多様な役割を持っており、将来にわたって育てていかなければなりません。
 そのため、健全な森林の維持造成に努めるほか、計画的に林道などの基盤整備を進め、緑豊かな生活環境整備を推進していく必要があります。

【施策の内容】

森林の整備・保全

 森林の公益的機能の維持向上を図るため、適切な間伐や枝打ちなど保全対策を推進するとともに、松くい虫などの森林病害虫の防除など対策を講じます。
 機能に応じた適切な森林施業を推進し森林整備を図ります。また、公益的機能の発揮に対する要請に適切に対応します。
 森林と人とのふれあう場として、生活環境保全林の環境整備を図ります。

林業生産の振興

 森林整備の推進、生産コストの低減及び山村地域振興を図るため、林道・作業道などの整備を推進します。
 森林の保護啓発を推進しながら、造林事業など支援制度の情報提供を行い、林業生産活動の活発化が図れるよう、担い手の育成や労働力の確保など、森林資源の充実を図ります。

林産物の振興

 町内久津賀地区(石脇・筒地)では、竹炭が生産されています。竹炭は空気清浄、水質浄化などにも使用される環境にやさしい林産物であり、また、他の林産物とあわせ地産地消を推進します。

B水産業の振興
【現状と課題】

 本町の水産業は、内水面漁業及び海面漁業があります。
 内水面漁業は、東郷湖でのシジミ・ウナギ・フナなどの漁獲が中心となっていますが、近年漁獲量が減少傾向になっています。今後は自然保護の啓発を行い、環境美化活動を進めながら有用魚類の放流、増殖などつくる漁業を推進し資源の安定確保を図る必要があります。
 本町は、羽合漁港(1種)と泊漁港(2種)の港を有しています。海面漁業は、これらの漁港を中心として漁業が営まれていますが、漁業従事者の高齢化が進んでいます。また、資源水準の低下、輸入水産物の増大、漁業収入の低迷など厳しい状況が続いています。これらの対策として、人工魚礁の設置や種苗放流の資源確保など漁場整備を推進し、水産資源の安定を図る必要があります。
 また、水産業は豊かな食生活と水域環境保全を支えており、この産業の魅力を理解してもらい後継者を育成する必要があります。

【施策の内容】

内水面漁業の振興

 東郷湖への有用魚類の稚魚放流、シジミの稚貝放流・増殖を推進します。
 漁場の保全、環境美化により漁場の生産の高揚を図ります。
 自然保護の啓発を実施しながら、町民による環境活動を推進します。

海面漁業の振興

 泊漁港は、中部の中核漁港として、中期整備計画により引き続き漁業生産基盤整備を促進します。
 羽合漁港は、沿岸漁業の生産基地として、水産業の振興を推進します。
 回遊資源を対象にした人工魚礁の設置、また磯根資源を対象にした増殖場造成など、沿岸域における漁場の整備を推進します。
 鳥取県漁業協同組合と連携し、アワビ・サザエ・クルマエビなどの種苗放流事業とあわせて藻場造成事業を推進します。
 希少価値の高い宇野地区の乾しワカメの生産や、魚貝類の種苗放流などの生産活動を促進します。
 漁業後継者の育成を図るため、意欲ある着業志望者に対して漁業担い手支援制度などの活用を図るとともに、町と漁協が一体となって育成に努めます。
 レジャーとの融合が図れる施策を進め、漁業協同組合経営全体の中で、自然と観光を生かした遊漁・渡船事業の促進・支援を図ります。



地産地消(再掲)
地域の環境と生活のあり方などを考え地域とのつながりを強くして、地域でとれたものを地域で消費すること。