計画

○商工業の振興

【現況と課題】

商業

 少子・高齢化の進行や長引く不況など、町民生活をめぐる状況が変化している中で、産業は、町民の就労や所得の確保など、日々の暮らしを支える基盤であるだけでなく、町税収入を生み出す経済基盤でもあり、まちの活力を生み出しにぎわいをもたらすことからも、その安定した発展が課題となっています。
 本町内の商店の状況を見ると、ほとんどが家族従業員型及び兼業型商店で、その規模も零細・小規模なものが大半となっています。
 また、経営者の高齢化や後継者難といった問題もあります。
 既存の商店は、コンビニエンスストアの立地、近隣の大型店舗の利用増大、テレビ、インターネットなどを含む通信販売の台頭などにより、集客力が低下しています。また、店舗の老朽化や後継者の不足などで、商店街や小売市場では店舗数が減少し、空き店舗が増えるなどの傾向が現れています。
 このように、商業経営環境は厳しいものがありますが、地域に密着した商業は、日常生活の利便性や地域の活性化に欠くことのできないものであり、経営基盤の強化を図るとともに、魅力ある商店づくりを行うことが必要になっています。

工業

 本町には企業数が少なく雇用力が小さいため、労働力は町外へ数多く流出しています。
 本町内の製造業は、縫製業及び電子部品組立業が中心産業であったものの、景気の低迷や海外への労働力の移転などにより大幅に減少しています。工場の閉鎖や移転に伴い宅地化が進む中で、既存の工場とその周辺地域と調和した環境づくりや跡地の適正な土地利用への誘導が課題となっています。
 企業誘致は、今日の製造業をとりまく環境が、国際競争の激化やデフレ経済の進行、工場の海外展開による産業や雇用の空洞化など極めて厳しく、設備投資の抑制や海外進出が進む中で、町内への新たな企業の誘致は難しい現状にあります。しかし、企業の立地は、雇用の確保や町財政の面への効果も大きいことから、国道9号青谷羽合道路の整備などを生かして、優良企業の誘致に引き続き取り組んでいく必要があります。

【施策の内容】

魅力ある商店づくりの推進

 農業、漁業、観光など他産業との連携強化を図り、人の流れを呼び込むための体制づくりに取り組みます。
 また、ITを活用したビジネスモデルの構築を積極的に行い、TECHPark構想の実現やSOHOの支援体制づくりに努め、新しい分野への進出も視野に入れた産業振興や新たな産業の誘致を推進します。
 さらに、商店が連携して共同事業に取り組むなど魅力ある商店街の形成、購買者の利便性向上とともに、地域の活性化を支援します。

特産品開発とブランド化の推進

 本町の農林業や観光業などとの連携により特産品開発や商品ブランドの育成を行い、湯梨浜ブランドづくりを進めます。
 また、情報技術を生かしてそれら商品の情報発信や販路拡大を支援します。

企業の育成、新産業の誘致の推進

 空き店舗の情報を起業家へ提供したり憩いのスペースとして活用したりするなどの商店街の活性化を支援します。
 また、環境と調和した優良企業の誘致を融資制度により推進し、雇用促進と地域活性化を図ります。

活力ある商工業づくりの推進

 地域や業種、世代間の交流活動の促進、消費者との交流の機会の拡充を図ることにより、町内商工業の活性化を図ります。

人材の育成

 就業者の高齢化に歯止めをかけるとともに、意欲的な若手後継者の育成に努めます。

商工会との連携強化

 広域共同組織体制(東伯郡東商工会協議会)との情報交換・連携強化を促しながら、経営者の能力開発とインターネットなどを活用した販売技術の向上、経営相談・指導の充実を図ります。
 また、経営の近代化や安定化を図るため、融資制度を充実し、一定額以上の事業拡大や新規事業への支援体制を整えます。


インターネット(再掲)
個人や企業、大学など全世界のネットワークを電話回線や専用線で相互接続したコンピューター・ネットワークのこと。
ビジネスモデル(再掲)
ビジネスの仕組み。特に、コンピューターやインターネットなどの情報システムを活用した新しいビジネス手法のことを指す場合もある。
TECHPark構想(再掲)
TechnologyEnterpriseCentralHubParkの略。町内を高速大容量通信の光ファイバー網で結ぶことにより、新たな企業展開や医療、福祉、防災等のIT化を可能とする構想。
SOHO(再掲)
スモール・オフィス・ホーム・オフィス(SmallOfficeHomeOffice)の略。ネットワークに接続した情報機器を駆使し、在宅勤務も含め、自営業や小規模事務所などで仕事をする新しい勤務形態。