計画

5.共に支え合い笑顔いっぱいのまちづくり

○地域福祉の推進

@地域福祉
【現況と課題】

 これまでの福祉は、対象者ごとの分野別計画を策定し、一定の成果をあげてきました。しかし、少子・高齢化の進行や複雑・多様化する町民の需要に的確に対応するためには、生活圏である地域を基盤として、それぞれのライフステージに対応できる総合的な福祉推進体制が求められるようになってきました。
 これらを背景として、2000(平成12)年に「社会福祉法」が全面改正され、地域福祉の推進が社会福祉の柱として位置づけられました。この中で、地域の福祉を総括する地域福祉計画を市町村が策定することが努力義務として規定されました。このため、本町においても、2006(平成18)年度に「湯梨浜町地域福祉計画」の策定を予定しています。
 だれもが住み慣れた地域で安心して暮らせる環境を実現するためには、個人や家族の力だけでなくボランティアや町民団体、社会福祉協議会などと連携し、弱者を地域全体で支えていくことが必要です。
 現在、町では社会福祉協議会や民生委員児童委員、自治会、ボランティア、NPOなど多様な主体により、各種福祉サービスの提供やボランティア活動などさまざまな活動が行われています。
 今後、より横断的な施策の展開を図る必要があることから、地域福祉の拠点施設の役割や機能の見直しなど総合的な検討を行い、整備を検討していく必要があります。
 また、福祉サービスの多くが措置から契約へと制度が変わる中で、家庭や地域の果たす役割がますます重要となることから、町民一人ひとりが地域福祉の担い手であるという意識を高めるとともに、地域全体で要支援者を支える体制の確保が必要となっています。
 さらに「社会福祉法」において地域福祉推進の中核的組織として位置付けられている社会福祉協議会について、組織の強化と機能の充実が求められています。

【施策の内容】

地域福祉の総合的な推進

 「湯梨浜町地域福祉計画」を策定するとともに、地域福祉計画に基づき、地域福祉推進体制を充実させ、関連する計画や施策との整合を図りながら、地域の参画と協働により地域福祉の総合的な推進を図ります。

拠点施設(活動の場)の整備

 地域団体やボランティア、NPOなどによる多様な福祉活動が育ち継続して行われるよう、活動拠点の整備や既存施設の機能拡充などを図ります。

福祉に対する町民意識の向上

 福祉についての町民意識の高揚を図るため、広報やイベントなどを通じた啓発活動などの情報提供を進めます。さらに、学校教育や社会教育における福祉についての学習を進め、年少期からの意識向上を図ります。

人材・組織の育成・支援

 地域福祉を推進するための中核的な担い手として期待される社会福祉協議会が、その機能を十分に発揮するように支援します。
 また、身近な地域での福祉活動を行うNPO、ボランティア及び専門的な人材などの育成を図るため、講習会や相談活動などの充実を図るとともに、組織づくりを支援します。
 さらに、これら団体などとの連携強化を図り、地域と行政、専門機関などの協働による支え合いのネットワークの整備を進めます。

福祉サービス利用者への支援

 地域の関係機関・団体と連携しながら、成年後見制度や社会福祉協議会が行う地域福祉権利擁護事業の普及に努め、福祉サービスなどを利用するうえで判断能力が十分でない認知症高齢者、知的障害者、精神障害者などの福祉サービスの利用を支援します。
 また、町民が安心してサービスを選択し利用できるよう、サービス提供事業者とも連携してサービスの質の確保を図ります。

暮らしやすい住まいの確保

 お年寄りや重度障害者などに対し、住宅のバリアフリー化を支援するとともに、お年寄り向けの住宅や障害のある人のグループホームなど、お年寄りや障害のある人などが暮らしやすい住宅の整備を促進します。

移動への支援

 一般の交通機関の利用が困難なお年寄りや障害のある人などに対し、医療機関などへの送迎や社会参加を促進するための外出支援について、そのあり方も含め検討します。

福祉窓口体制の充実

 相談からサービス支援までをワンストップサービスでできるような体制づくりに努めます。
 また、相談窓口に専門性と総合性を持たせるために、保健・福祉に関する相談専門職の確保を図ります。

A児童福祉及びひとり親家庭対策
【現況と課題】

 全国的に急激な少子化が進む中で、年少人口が減少しており、安心して子どもを生み育てるための総合的な支援施策や福祉施策の実施が求められています。
 このような中、2003(平成15)年に「次世代育成支援対策推進法」「少子化対策基本法」「改正児童福祉法」が相次いで制定・改定されるなど、総合的な少子化対策が進められています。
 本町においても、これまで定住促進や子育て支援のためのさまざまな施策を実施してきましたが「次世代育成支援対策推進法」に基づき、2005(平成17)年に「ゆりはますこやか子育てプラン」を策定し、総合的・体系的な子育て支援、環境の充実に努めています。
 本町の保育の状況を見ると、宅地造成に伴う人口の増加に伴い保育の必要な乳幼児の増加が見込まれますが、各保育所の園児数には大きな偏りが見られます。町内の保育所では働く保護者の支援策として、低保育料の継続や保育時間の延長、一時保育の実施、放課後児童クラブの開設、土曜日午後の保育、特別保育事業の実施、ファミリー・サポート・センターの設立などを行ってきました。今後とも、さらに多様化、複雑化する保護者や家庭の保育ニーズを的確に把握し、適切な保育内容を充実していく必要があります。
 また、少子化や核家族化が進む中で、子どもが育つ地域のコミュニティーが希薄化しており、育児の孤立化や育児不安を抱く親が増加し、児童虐待に発展しかねない状況になっています。
 このため、関係機関や地域社会も含めた子育て支援の拡充を図り、次代を担うすべての子どもたち一人ひとりの権利が尊重され、子どもの最善の利益が保障されることが必要です。
 さらに、障害のある子どもを持つ家庭やひとり親家庭などでは、身体的・精神的・経済的に多様な悩みを抱えながら生活している場合が多くあります。このため、療育システムや援助体制の充実など、福祉施策を拡充していくことも検討していく必要があります。

【施策の内容】

総合的な子育て支援対策の推進

 「ゆりはますこやか子育てプラン(次世代育成支援地域行動計画)」に基づき、保育、保健、教育、防犯、男女共同参画などさまざまな視点からの施策の推進を図り、安心して子育てができる環境の整備を図ります。
 また、子育てをするすべての家庭に対して、適切な支援ができるよう、関係機関・団体、行政などの連携や町民との協働により、子育て支援ネットワークの形成など総合的な援助システムの確立に努めます。

男女共同参画による子育て支援

 女性に偏りがちな家事や育児の負担、仕事との両立の困難さなどを解消するために、男女が共に参画し子育てのできる環境の整備に努めます。また、子どもを育てる家庭に配慮した職場環境を整備するよう、事業者などへ働きかけます。

地域における子育て

 子育てに関する相談、情報提供、サービス提供などを総合的に展開する子育て支援センターの施設や地域の子育て支援の拠点である児童館の充実を図ります。
 また、放課後児童クラブファミリー・サポート・センター事業を拡充するとともに、子育て中の親子や子育てサークルが地域で交流し、相談し合える場の整備に努めるなど、地域における子育て支援の活動を一層充実していきます。

児童虐待の未然防止

 児童虐待の未然防止や早期発見と児童や家庭への援助に向け、保健、医療、福祉、教育、警察など関係機関と密接な連携をとりながら教育・相談活動を推進など、適切な対応に努めます。また、家庭や地域との連携をより一層深め、支援体制の充実を図ります。

配慮を必要とする家庭への支援

 身体的・精神的・経済的に多様な悩みなど、障害のある子どもを持つ家庭やひとり親家庭の支援を図るため、療育システムや援助体制の充実など支援体制の整備を図ります。

子育て家庭への経済的支援

 子どもを育てる家庭への経済的支援の充実を国に要望するとともに、安心して診療が受けられるよう医療費の公費負担制度の充実に努めます。
特別医療費助成制度の助成内容の拡充を推進します。

安心・安全なまちづくりの推進

 子どもを犯罪や事故の被害から守るため、地域住民や学校、警察などとの連携に努め、子どもが安全で安心して過ごせるよう、地域での見守り体制の充実を図るとともに、防犯設備などを整備し、生活環境の安全の確保に努めます。

保育所整備及び保育サービスの充実

 働く親などが安心して子育てができるように、低保育料や保育時間の延長、一時保育、土曜日午後の保育、特別保育事業などの施策の継続及びサービスの向上を推進します。
 保育所は、耐震化工事が急務のため、耐震工事について検討します。
 出生数の減少する中、幼保一元化なども検討します。
 また、病後児・病児保育の拡充を進めます。

学校給食の充実

 社会や家庭のあり方が変容する中で、給食を子どもの学習・交流の場として位置づけ、地産地消を推進するなど食事内容を充実します。
 給食の適温管理や衛生管理の一層の向上により、食中毒の防止を図るなど安全な給食の供給に努めます。
 また、統合及び民間委託も視野に入れ検討します。


ライフステージ
青少年期、青年期、高齢期など、人の一生を身体的、精神的な発達段階に応じて区分した各段階。
民生委員
厚生大臣に委嘱され、常に町民の立場に立って、社会福祉の増進のために、県健康福祉センター(福祉事務所)や市福祉事務所などの業務に協力しながら、援助を必要とする者に対して、相談に応じたり、助言やその他の援助を行う民間の奉仕者。
児童委員
児童相談所などの業務に協力しながら、地域の子ども・妊産婦の保護や保健、福祉の向上のために必要な援助・指導を行う民間の奉仕者。(民生委員が兼ねる。)
NPO(再掲)
行政や民間企業に属さず、社会的に必要な公益的活動をする市民による非営利の民間組織を意味する。
グループホーム(再掲)
認知性などのお年寄りや就労している知的障害者などが食事、相談その他の日常的生活援助を受けながら、小人数で民間住宅などで共同生活する形態。
ワンストップサービス(再掲)
ひとつの窓口ですべての用件を終わらせることができるサービス体制のこと。
バリアフリー(再掲)
障害のある人やお年寄りの生活や活動に不便な障害を取り除くこと。
インターネット(再掲)
個人や企業、大学など全世界のネットワークを電話回線や専用線で相互接続したコンピューター・ネットワークのこと。
一時保育(再掲)
週3日程度のパートタイム就労に対応した「非定期的保育サービス」や、保護者の傷病などに対応した「緊急保育サービス」などを提供する保育事業のこと。
放課後児童クラブ(再掲)
保護者の就労などによって放課後十分な保育を受けられない小学校低学年の児童を対象として、児童館などの施設で育成指導を行い、遊びを主とした健全育成活動の推進する保育事業のこと。
特別保育事業
子育ての負担を緩和するために延長保育や一時保育、地域の子育て支援などの環境整備を総合的に推進する国及び県の制度に基づく補助事業のこと。
ファミリー・サポート・センター(再掲)
子育てや介護に関する地域住民相互の援助体制。子育てや介護の援助したい・されたい住民を会員登録し、保育園時間外や学校放課後の一時預かりや送迎、寝たきり高齢者などの食事、通院や買い物の付き添いなどのサービスを有償ボランティアが行う。
一時保育(再掲)
週3日程度のパートタイム就労に対応した「非定期的保育サービス」や、保護者の傷病などに対応した「緊急保育サービス」などを提供する保育事業のこと。
特別保育事業(再掲)
子育ての負担を緩和するために延長保育や一時保育、地域の子育て支援などの環境整備を総合的に推進する国及び県の制度に基づく補助事業のこと。
地産地消(再掲)
地域の環境と生活のあり方などを考え地域とのつながりを強くして、地域でとれたものを地域で消費すること。
ホームページ(再掲)
個人や団体がインターネット上で、情報発信するためのページのこと。本来は、インターネットに接続して見える最初に見える画面のこと。