計画

○消費者安全対策の推進

【現況と課題】

 近年、わが国においては、規制緩和が進められるとともに、高度情報化社会が進展するなど、経済社会の状況は著しく変化しており、消費者を取り巻く環境も大きく変化してきています。それに伴い、消費者問題も多様化し複雑化しています。
 このような変化の中、1995(平成7)年には、製造物の欠陥による製造業者などの賠償責任について定めた「製造物責任法」が、また2001(平成13)年には、適正な消費者取り引きを実現するための包括的な民事ルールとして「消費者契約法」が施行されるとともに、2004(平成16)年には「消費者保護基本法」が「消費者基本法」と改正され「消費者の権利」が明記されるなど、消費者の利益の擁護と増進に関する施策を進めるための枠組みが整えられつつあります。
 本町の消費者行政は、消費生活センターを拠点にして消費者保護と消費者教育を大きな柱として展開してきました。
 しかしながら、消費生活相談は年々増加し、インターネットを利用した新たな商法などの出現、お年寄りなど社会的弱者を狙う悪質商法などに対する課題など、問題は山積しています。
 また、食の安全や地球温暖化などの環境問題について消費者の関心は高く、広範な社会問題に対してきめ細かい対応が不可欠となっているとともに、近年の事業者としての信頼を損なう事件の発生などに対し、企業の自主行動基準の策定も求められています。
 今後とも、消費者トラブルの解決と被害者救済を図り、消費者利益を擁護し消費者の権利を確立する施策の展開が必要です。

【施策の内容】

苦情、相談体制の確立

 消費生活にかかわる被害を未然に防止するために、鳥取県消費者生活センターをはじめ、国、鳥取県などの公的相談機関と連携し、情報提供や被害の解決を図る消費生活相談の機能の充実を図ります。
 また、判断が不十分な成年者を保護するための制度である成年後見制度についても制度の啓発を図るとともに、本制度の利用が必要と認めた場合には、成年後見などの申立てを行うなど支援体制の充実を図ります。

消費者の意識啓発

 消費者の自立支援のため、消費者が自ら判断し選択できるよう必要な知識の普及や情報提供に努めます。また、環境保全や安全の確保などについて、消費者団体との連携を図り啓発活動に努めます。

消費者の意見の反映

 消費者の意見が、町の消費者施策や事業者の事業活動に反映されるよう、環境整備に努めます。

消費者活動の支援

 消費者団体の育成・強化に努め、自主的な消費者活動を支援します。

消費者関係法令整備等の要請

 消費者被害の未然防止や被害にあった消費者の救済を一層強化するために、消費者関係法制度の整備や施策の充実を国や鳥取県に要請します。

適正取り引きの確保

 消費者と事業者との間の適正な取り引きを確保するため、必要な情報提供や適正な勧誘が行われるよう、事業者、消費者団体や関係機関との連携を図ります。

○環境負荷の低減

@環境保全
【現況と課題】

 近年の大量生産や大量消費、そして大量廃棄型の社会活動が、私たちの身近な日常生活環境から地球規模にわたる、広範な環境問題を起こす要因となってきました。21世紀は環境の世紀といわれる中で、1993(平成5)年の「環境基本法」、2000(平成12)年の「循環型社会形成推進基本法」の制定をはじめ、各種のリサイクル関連法が整備されてきました。また、2005(平成17)年には温室効果ガスの排出削減目標を定めた「京都議定書」が発効されたことから、目標達成に向けてさまざまな取り組みを推進していくことが課題となっています。
 本町においても、環境学習・環境教育の推進をはじめ、家庭、職場、地域における積極的な展開を推進し、総合的な環境保全対策を推進する必要があります。

【施策の内容】

 環境教育・環境学習の推進

 幼児期から環境問題に対する意識を高めていくために、保育所、幼稚園の保育活動に物を大切にする取り組みなどの活動を取り入れます。
 また、小中学校における環境保全学習を支援し、リサイクル活動などを通して循環型社会の形成の重要性について、正しい認識を深めます。
 さらに、町民のだれもが環境に関心を持って、積極的な取り組みを進める体制づくりを進めるため、環境学習・環境教育の推進を図ります。

率先行動の推進

 町自ら率先して省資源・エネルギーやグリーン購入など温室効果ガスの排出量を抑制する措置を図り、あわせて町民、事業者の環境保全に対する意識の高揚を図ります。

環境情報の整備・提供

 環境施策の効果的な推進を図るとともに、町民、事業者の環境への取り組みの促進に資するため、環境情報を体系的に整理し、広報活動を充実していきます。

地球環境に配慮した行動の普及促進

 地球温暖化やオゾン層の破壊などの地球環境問題に対処するため、日常生活や事業活動において、地球環境に配慮した行動が進められるよう、その普及促進を図ります。

A公害対策
【現況と課題】

 事業活動に伴う公害については、公害関係法令の整備などの対策が講じられてきていますが、近年は、ダイオキシン類に代表される有害化学物質による新たな環境汚染が問題となっています。
 本町では、幸い大きな公害問題は発生していませんが、建築廃材の野焼きなどが町内のさまざまな場所で見られ、生活環境への影響が懸念されます。このため、町民の環境意識の高揚を図るとともに、不法投棄を防止するための監視体制を強化していかなくてはなりません。
 また、今後生活様式の多様化、都市化・過密化に伴う生活騒音や環境保全に対する苦情など近隣公害が予想されることから、発生抑制対策を推進していく必要があります。

【施策の内容】

事業活動に伴う公害防止対策の推進

 事業活動に伴う公害の発生を未然に防止するため「大気汚染防止法」「水質汚濁防止法」「騒音規制法」などに基づき的確な状況の把握、規制や指導を行うとともに、環境監視体制の充実を図ります。

自動車公害防止対策の推進

 ノーマイカー運動の実施など交通量抑制のための啓発や天然ガス自動車などの低公害車の普及を促進するとともに、ディーゼル排ガスの規制強化などの発生源対策や道路構造などの改善を国や関係機関に要望します。

有害化学物質等による環境汚染の未然防止

 ダイオキシン類などの有害化学物質の排出削減を指導するとともに、未規制化学物質などの使用実態、環境に及ぼす影響などを調査し、事業者とともに環境汚染の未然防止に取り組みます。

B廃棄物対策
【現況と課題】

 現在、本町では、ごみの有料化及び分別収集を実施するとともに、生ごみ処理機の購入補助事業の実施、分別収集の手引きの全世帯への配布、町民を対象にしたごみ減量化推進の研修会の開催など、各種の取り組みを展開しています。
 このような取り組みを踏まえ、町民のごみ減量化に取り組む意識はかなり高まってきましたが、家庭系ごみ及び事業系ごみは年々増加しており、2004(平成16)年度には1日当たり13,190kgのごみが排出されています。
 このため、より一層の減量・リサイクルへの取り組みを推進する必要があります。
 ごみの処理は、可燃ごみ、不燃ごみ、ビン缶類、可燃性粗大ごみ、不燃性粗大ごみを中部ふるさと広域連合のほうきリサイクルセンターで処理しています。しかし、空き缶・たばこなどのごみのポイ捨てや不法投棄、建築廃材の野焼きなどが町内のさまざまな場所で見られ、生活環境に大きな影響を与えていることから、ルールの遵守などごみ問題に対する意識改革を行い、ごみ減量のまちづくりを進めていく必要があります。

【施策の内容】

ごみ減量化、リサイクルの推進

 家庭から排出されるごみの分別収集の徹底やリサイクル活動情報の提供、生ごみ処理機の購入費補助制度の活用などにより、ごみの減量化や、資源のリサイクルを推進していきます。
 さらに、資源リサイクル、環境教育の拠点施設として、ほうきリサイクルセンターの活用を図ります。

環境美化運動の推進

 自主的な環境美化活動を進める団体や組織などの支援を図るとともに、環境美化意識の高揚に努めます。
 また、飼い犬のふん公害対策として、犬を飼う人のマナー向上に向けた啓発を行います。

不法投棄対策の推進

 不法投棄された産業廃棄物などの状況を正確に把握するとともに、不法投棄監視員によるパトロールや監視カメラの設置など不法投棄の監視や取り締まりを強化します。


インターネット
個人や企業、大学など全世界のネットワークを電話回線や専用線で相互接続したコンピューター・ネットワークのこと。
成年後見制度
知的障害者、精神障害者、認知性高齢者などの判断能力が不十分な人を保護するため、家庭裁判所の手続きを通じて、代理権などを付与された成年後見人や保佐人などが財産管理などを行う制度。
温室効果ガス(再掲)
地球温暖化の原因となる二酸化炭素やメタン、フロンなどのこと。
グリーン購入
環境への負荷が少ない製品やサービスを優先的に購入すること。