構想

3.土地利用の方向性

(1)基本方針

 本町においては、平成18年3月に策定した第1次湯梨浜町土地利用計画に基づき、限られた町土において、計画的かつ効率的な利用に努めています。
 土地利用については、町土が現在及び将来における住民の限られた資源であるとともに、生活及び生産等諸活動の共通基盤であることを考える必要があります。公共の福祉を優先し、自然環境の保全を図りながら、地域の自然的、社会的、経済的及び文化的条件に配慮して、健康で文化的な生活環境の確保と町土の均衡ある発展を図ることを基本理念に、総合的かつ計画的に行うことが重要です。
 近年、本町を取り巻く社会経済情勢は、生活の多様化をはじめ、少子・高齢化の進行等大きな変化が生じています。そのため、限られた資源である町土の有効活用を図り、安全で快適な住民生活の向上、産業振興等による地域活性化が必要となっています。
 本町の特徴的な地域資源である海、池、川、山等の自然及びそれらを介した景観は、魅力ある自然環境を形成していることから、環境の維持・保全に努める必要があります。
 また、本町の観光資源の中核をなす温泉やその他の観光施設との共存を図るとともに、自然環境に配慮しながら、自然と一体となった観光資源の活用に努める必要があります。
 このように、様々な状況に考慮しながら、慎重なる配慮のもと、計画的視点に立った総合的な土地利用の推進を図ります。

(2)土地利用の方針

①農用地

 農用地については、本町の基幹産業である農業の健全な発展を図り、食料の安定供給を担う営農組織や農業者を育成するため、農業生産基盤の整備と優良農地の確保に努めます。
 また、農作業の受委託、農地の利用集積を進め、効率的な生産体制の確立と農地の有効利用を図りながら、集落営農組織や認定農業者等意欲のある担い手を中心とした地域農業を推進します。
 さらに農用地は、町土保全機能、自然環境保全機能等多面的な機能を有していることから、農地の荒廃を防ぐなど、農用地の適正な管理、保全に努めるとともに、安全・安心な農産物の生産及び自然環境と調和した農業生産を推進します。

②森 林

 町土の約5割を占める森林は、木材生産の場だけではなく、洪水や山崩れ等の災害を防止する町土保全、水源かん養、良好な自然環境の保全など、多様な役割を担っています。
 そのため、適切な間伐や枝打ち等の保全対策の推進により、森林の公益的機能の維持向上に努めるとともに、松くい虫等の森林病害虫の駆除など、その対策を講じます。
 また、将来の世代に豊かな森林を継承するため、森林保護への啓発や森林と人がふれあう場としての生活環境保全林の環境整備を推進します。

③原 野

 原野のうち、水辺植生、野生生物の生息地など、貴重な自然環境を形成しているものについては、生態系及び景観の維持等の観点から保全を図ります。

④水面・河川・水路

 本町の中央部に位置する東郷池や、天神川、橋津川、舎人川等の河川は、住民生活に密着し、憩いの場として欠かせない地域資源となっています。
 そのため、水面・河川・水路については、災害発生の防止、安らぎとうるおいのある親水空間の創造、生活用水や農業用水等への安定した水資源の確保を図るため、自然環境の保全に努めながら、暮らしの安全を守るための管理、整備を推進します。

⑤道 路

 道路網の整備は、快適な住民生活や経済発展のためにも欠くことのできない重要な役割を担っています。
 本町は、国道9号と山陰道青谷・羽合道路を中心として、県中部の交通の要衝となる立地条件を有しており、住民生活や経済活動における利便性の向上を図るため、道路の利用状況や地域の実情を考慮した適切な整備を図る必要があります。
 そのため、道路の安全性、自然環境の保全に十分配慮しながら、必要な用地の確保に努めるとともに、計画的な整備に努めます。
 また、農道及び林道は、農林業の生産性の向上及び農地、森林の適正な管理を行うため、必要な用地の確保に努めるとともに、その整備にあたっては、自然環境との調和、保全に配慮します。

⑥宅 地

I 住宅地
 住宅地については、人口と世帯数の動向や地理的条件など、本町の特性を踏まえながら、計画的な用地の確保を図る必要があります。
住宅地の整備にあたっては、良好な居住環境を実現するため、防災上の配慮を促すとともに、道路、公園等の生活関連施設の整備や自然環境の保全と調和を図るなど、住みよい環境づくりに努めます。
 また、住宅地の開発においては、無秩序な開発を未然に防止し、本町のまちづくりとの均衡を図りながら、快適で安心、安全な住環境の整備に努めます。

II 工業用地
 地域経済は景気回復を実感できる状況には至っておらず、商工業を取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続いています。
そのため、本町への新たな企業誘致は難しい状況にありますが、将来にわたって持続的に発展していくためには必要な要素と言えます。企業の誘致は、雇用の促進、人口の増加、定住促進など、町の活性化にとって大きな効果をもたらすことから、企業立地の動向を把握しながら、工場跡地等の有効利用を促進します。

⑦その他の用地

 町民の憩いの場となる公園・緑地、文教施設、交通施設等の公共・公用施設用地は、住民生活における重要性と住民ニーズの多様化を踏まえ、環境の保全や景観に配慮しながら、必要な用地の確保に努める必要があります。
 また、公共施設の跡地施設については、町民の貴重な財産であり、財政状況やそれぞれの施設の事情を勘案しながら、有効活用を図ります。