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泊小学校創立140周年でのあいさつ(H24.11.29)

印刷用ページを表示する掲載日:2017年2月1日更新 <外部リンク>

 泊小学校の皆さん、創立140周年おめでとうございます。

 今日は、校長先生の取り計らいにより、このような催しが開催されましたことをとてもありがたく思っています。私もそちらで皆さんと一緒に喜びを分かち合いたいのですが、仕事の都合で伺えません。そこで、ビデオレターを託し、慶びの気持ちを伝えさせていただきます。

 明治5年、今から140年前の8月、「学制の発布」が行われました。「学制の発布」という言葉は小学生の皆さんには少し難しい言葉ですが、要するに、国が全国にこれだけの数の小学校をつくるよという宣言をしたのです。そして、泊小学校はその年の11月29日に創立されました。県下で一番早くできた小学校です。

 なぜ、そんなに早く泊小学校ができたのか。それは、三枝礼治さんという人が、泊の子供たちのためにと、自分の財産を投げ打って建設資金に充てられたからです。多くの村人たちも協力しました。
 最初は、教室ひとつの小さな学校だったのですが、発展するにつれ、狭くなり、より広いところへと3回も移転をして、昭和のはじめに、向こう側の石段の上、今の青少年の家があるところに移転しました。

 私たちが小学生の頃はその小学校に通いました。石段の両脇の桜の木と、とても大きな2本の一里松が特徴の学校でした。

 しかし、そこでも60年が経つと、校庭等の敷地が狭く、建物も老朽化し、建替える必要が生じました。

 その時、当時の泊村は、そのことをチャンスとして考え、日本海を望む緑の自然の中に広々とした用地を造成して、最も理想的な鳥取県1の小学校をつくるという意気込みで、今の泊小学校の場所への建設を思い立ちました。

 泊の子どもたちに自信と誇りを、村に清新の風を起こすシンボルとして、3年の歳月と10億円を超える沢山のお金を使って、泊の子どもたちのために全力投球したのです。

 その思いは、村民の皆さんも同じで、「学園の森」事業として、皆さんのおじいさんやおばあさん、そしてその頃小学生だった皆さんのお父さんやお母さんが一緒になって、学校の周りに沢山の桜の木を植えました。

 より良い環境の中で子どもたちに勉強や運動に励んでほしいそのような想いが、今の小学校には詰まっているのです。

 昭和63年4月8日の竣工式のあと、4月13日の日本海新聞には次のような記事が載せられました。少し長いですが読ませていただきます。

 

(昭和63年4月13日付日本海新聞「海潮音」を朗読しました)
 国道9号沿いに、また一つ新名所ができた。泊村の丘陵地、保養所のホテルを思わすような、しゃれた小学校ができた。かわらぶき、赤レンガづくりが、周りの緑によく映えて美しい。校舎の中がすごい。ヒノキづくりだ。木の香が漂い、人の知恵と温かみが伝わってきて、うれしくなってしまう。
 ここからの見晴らしが、またすばらしい。後ろは山、前は日本海。大自然の色や光や風、その移ろい、その恵みが、手にとるようによくわかる。ここで学び、遊べる子たちは幸せだと思う。栽培漁業、二十世紀梨、小玉すいか、グラウンドゴルフの泊村に、もう一つ自慢の種が増えた。
 泊村は人口三千三百人。本年度の当初予算は14億円余り。鳥取県を代表する小さな村が、鳥取県一の学校をつくった。その総事業費は、約十三億円。「村づくりは人づくりから」と一魂投入、一年分の村財政に匹敵するカネを注いで、三年かけて整備した。周りの山では、村民の一人一木運動で、学園の森づくりも進められている。
 村民あげて、教育の村づくりである。その心意気に打たれて、奈良・東大寺の元管長、清水公照氏が天笙地鼓(てんしょうちこ)と名づけた壁画を贈ってきた。天女が舞い、肩を組んだ子たちが大地を踏みしめている。天の力と地の生命力をあわせて、新時代を開けという意味なのだろう。この壁画を見て育つ泊っ子は、きっと心優しい人間になるに違いない。
 全国から視察が続いているという。立派な教育環境もさることながら、村民の郷土愛も感じてほしい。泊村の課題は人口増、出生増。「どこにもない学校をつくり、あの学校に行かせたいという村民をつくること」(固有名詞略、「という思い」に置き換え)が、すごい学校づくりのエネルギーとなった。この夏、真新しい泊小で、グラウンドゴルフ初めての全国大会が開かれる。泊村得意の日々は続く。

 

 そのような学校で、今、皆さんは学んでいます。

 泊村は、豊かな村ではありませんでしたが、ここに住む子どもたちには立派な教育を施し元気に羽ばたいてほしい。そのような思いが代々泊小学校に引き継がれています。

 この泊小学校で明るく元気な小学校生活を送ってください。そして、小学校を卒業してからもこの小学校を愛し、この小学校の児童たちを応援してください。

 創立140周年を機に、泊小学校が子どもたちの素晴らしい学びの場として、ますます発展することを祈り、お喜びの挨拶とさせていただきます。

 頑張れみんな、潮風の中でたくましく。おめでとうございます。