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東郷湖のシジミ復活に寄せて(全文)

印刷用ページを表示する掲載日:2017年2月1日更新 <外部リンク>

復活祭画像東郷湖のシジミ復活に寄せて

 本日、知事及び国会議員、県議会議員の皆様を始め、たくさんのご来賓の皆様をお迎えし、東郷湖シジミの復活祭を開催できますことは大きな喜びであり、解決に向けご尽力いただきました全ての皆様にお礼を申し上げます。 また、この喜びを、東郷湖漁協の皆様はもとより、町民の皆様とともに分かち合いたいと思います。

 振り返ってみますと、昨年の12月25日、県からシジミ残留農薬にかかる検査結果の説明を受け、その翌日、12月26日に漁協が操業自粛に踏みきられてからちょうど8ヶ月後の漁の再開となりましたが、この間、県を始め、地元国会議員の皆様には、格別のご尽力とご協力を賜りました。

 検査結果の説明を受けてから3日後の12月28日、漁の早期再開に向けた支援などを県に要望して以来、1月9日には、県の部長さん方と農林水産省、厚生労働省、環境省へ魚介類に関する個別基準の設定を求める要望活動をしましたが、それと相前後する形で、県の栽培漁業センターでの残留農薬消長研究、衛生環境研究所での東郷湖をブロックに分け採取したシジミの検査などの取り組みを始めていただきました。

 一方、国に関しましては、私事ながら1月8日の私の新年互礼会の挨拶の中で、地元国会議員の皆様に、多年の努力の末ようやく復活を遂げた東郷湖のシジミが、魚介類に関する個別基準が設定されていないため、米より10倍厳しい一律基準の適用を受け、漁師の皆さんは操業自粛を余儀なくされているという窮状を訴えたところ、即座に関係省庁に働きかけていただきますとともに、2月中ごろには、与党の水産基本計画小委員会で取り上げていただくなど国レベルでの活動も始めていただきました。

 そのような努力をしながら5ヶ月が過ぎましたが、毎月採取するシジミの検査結果や残留農薬の消長研究の数値に思うような改善が見られないなど、このままでは長期化が避けられない、やはり早期解決には、この不合理な基準を改め、魚介類に関する個別基準を早急に設けていただくこと、そのことが解決の早道だと、5月20日過ぎに県の幹部の方や地元国会議員の方にお願いを申し上げました。

 この後、国会においては、5月22日には、参議院の農林水産委員会において、厚生労働省で専門家による検討を進めており、夏までに評価手法を作成見込みであることを引き出していただきました。

 また、県におきましては、5月29日、「平成20年度国の施策等に関する提案・要望」活動の際、知事の特別のお計らいによりにより、厚生労働省、農林水産省、環境省などの幹部の皆さんのところへ、私も一緒に要望活動をさせていただきました。

 また、地元国会議員への説明会にも同席させていただきましたが、この時、シジミを産出する県の国会議員で議員連盟を作ろうということになり、6月21日、島根、滋賀など6県選出の国会議員の賛同を経て設立された石破衆議院議員を会長とする「シジミ振興対策議員連盟」が開かれ、その中で、8月中の基準設定が明らかにされたわけでございます。

 その後、8月21日の官報により新基準が告示され、8月26日の漁再開となりました。

 昨年5月から適用されたポジティブ制度、基準の改定には相当期間がかかるものと覚悟していましたが、このような解決を見たのには、2つの理由があったと思っています。

 ひとつは、今回、クミルロンに関する基準が他の農薬に先駆けて設定されたことからわかるように、県、そして国に早期に働きかけたことにより、厚生労働省がクミルロンに関する研究に早く着手してくれていたものであること。

 ふたつめは、これが最も大きな理由なのですが、知事を始めとする県の皆様、そして地元国会議員の皆様方が一致団結して、様々な角度から文字通り格別のご尽力をいただいたことであります。

 ただいま申し上げた以外のことでも新たな制度の創設や知事会でアピールなど、多くの対応を取っていただいたところであり、改めて感謝を申し上げます。

 漁協の皆さんには、度重なる密漁にもめげず、前組合長の尾崎さん、現組合長の松谷さんの下、信用確保のため、徹底した操業の自粛を守り抜かれました。心から敬意を表します。今後は、大きくておいしいという東郷湖のシジミの一層のブランド化、価値創出に向け一致団結して取り組んでいただければと思います。役場も一緒に頑張ってまいります。

 私は、日ごろから「合併して新しい町ができ、一番得をしなければならないのは東郷湖である。」と申しています。

 それは、町づくりを進める上でも、わが町の真ん中にある東郷湖が、町の観光、農業、環境など、様々な事柄を象徴する湖として美しく存在することが必要で、そのためには、漁師の方たちに限らず、町民一人ひとりが関心を持ち、この東郷湖を守り育てる努力を払い、活用していくことが大切だと思っているからです。

 折りしもこの3月、県では、東郷池水質管理計画を策定されましたが、その中には、それぞれの分野で、それぞれの者が果たす役割が定められています。これを機に、町民こぞってわが町の誇りのひとつである東郷湖を大切にまもり、育て、活用して行こうではありませんか。

 終わりに、この復活祭の開催にご協力いただいた関係者の皆様にお礼を申し上げ、あいさつとさせていただきます。ありがとうございました。