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平成23年度施政方針

印刷用ページを表示する掲載日:2017年2月1日更新 <外部リンク>

町長画像平成23年度当初予算案を提案するにあたり、施政方針の一端を述べ、議員各位と町民の皆様のご理解、ご協力をお願いしたいと思います。
 わが国の経済状況は、いくつかの業種に景気の回復が見られるものの、地方においてはその実感がないのが現状です。また、人口構造の変化、具体的に申しますと少子高齢化の進展に伴い今後も生産年齢人口の減少が続き、そのことへの対応と社会保障の分野をはじめとする様々な分野で新たなフレームづくりが求められています。
 これまで、町政の運営に当たっては、総合的な行財政改革を進めながら、町の発展のために必要なことについては積極的に展開することとし、その結果として、起債の繰上償還を行いながら、平成17年度末11億1千万円であった財政調整基金が、平成22年度末では19億9千万円と8億8千万円増えたほか、財政上の指標にも改善が見られるとともに、湯梨浜発の個性的な事業や特色のある施設活用も生まれてきました。
 平成23年度当初予算編成に当たりましても、限られた財源の中、雇用、福祉、環境、子育て、教育、産業振興、社会資本整備など、多方面に亘る課題への適切な対応を図り、住民福祉の向上や産業の活性化等、町政の重要な課題解決に積極的に対応するため、経常経費や団体への補助金等の徹底した見直しも行ったところであり、補助金等を削減した団体の皆様には現下の状況をご賢察の上、ご理解を賜りますようお願いいたします。
 平成23年度は、第2次湯梨浜町総合計画がスタートする年です。今後5年間の羅針盤としてPDCAサイクル(計画、実行、評価、改善)の概念を活用し、適宜、必要な修正等を加えながら、キャッチフレーズである「げんき・いきいき・かがやきのまち」の現出を図りたいと考えています。このため、第2次総合計画の柱立てを引用しながら、平成23年度新規事業を中心に説明させていただきます。


1.次代を担う心豊かな人がそだつ町づくり

 保育所・幼稚園につきましては、羽合地域の幼保一体化施設の平成24年春の開園を目指し建設工事を進めるほか、町内全ての施設を自園給食方式にするため、田後保育所調理室の改修工事を行います。また、田後保育所、わかば保育所の園庭の芝生化にも取り組むこととしています。
 学校教育では、平成18年度に県下で最初に実施した小・中学校全学年少人数学級や特色のある学校づくりを継続するとともに、児童・生徒の学力向上に努めるほか、北溟中学校体育館の耐震及び大規模改修工事、中央図書館に図書司書を増員し、小規模校の図書室支援と図書教育の充実を図ります。
 また、男女共同参画の推進につきましては、町内民間企業等への取り組みの強化を図りたいと考えているほか、今年度、町内において人権侵害に当たる差別事象が複数回発生したことから、啓発活動等より一層理解を深める努力をしなければと考えています。
 さらに、老朽化している東郷地域の保育所のあり方及び中学校の統廃合問題については、住民の皆さんや議会の意見を聴きながら引き続き検討を進め、平成23年度中に一定の結論を出したいと思っています。


2.未来を創造する先駆的な町づくり

 本町では、主要事業であった情報通信ネットワーク基盤整備事業が平成21年度で完了し、ケーブルテレビのデジタル化や高速インターネットの利用などが可能になりました。高速インターネットの加入世帯は、平成21年4月末827世帯であったものが今年2月末には1,379世帯と552世帯、率にして67パーセント増加し、順調に推移しています。
 テレビ放送は本年7月にアナログ放送から地上デジタル放送にかわります。これに伴いTCCでは、3カ年は従来のアナログテレビでも見られるよう対策を講じたところですが、チャンネル数が減ることなどもございます。町民が混乱されることのないようより細やかな周知に努めてまいります。
 太陽光発電や風力発電は自然のエネルギーを利用し、地球にやさしい環境を作り出すのに有効であり、役場庁舎への太陽光発電施設の整備を行います。


3.にぎわいと活力のあふれる産業のまちづくり」です。

 まず、農業につきましては、新規事業として、多様な集落営農の組織化及び機械施設の整備等に対する支援、苺栽培を目指す県外からのIターン者受け入れのための就農支援などを実施します。主要産業である二十世紀梨は、引き続き鳥取県次世代鳥取梨産地育成事業や二十世紀梨ブランド化事業などを実施することにより生産振興を図ってまいります。また、昨年県のアンテナショップで実施した二十世紀梨などのPR・販売促進活動を、今年はそれ以外の産物や湯梨浜町のPRを兼ねたものに充実させ実施するようにしています。
 水産業につきましては、今年10月30日には鳥取市を主会場に全国豊かな海づくり大会が開催されます。湯梨浜町においても、天皇陛下から御下賜(ごかし)の「シジミ」の放流等により水産業の振興に努めます。
 観光面では、本年4月23日には、燕趙園に町内二つ目の道の駅が開設されます。この施設を活用し、情報発信や地産地消の推進を図るほか、昨年町内でロケがあった韓国ドラマ「アテナ」の放映に伴うインバウンド促進対策にも県や広域連合と連携して取り組んでまいります。
 雇用状況は依然として厳しい状況であり、最終年を迎える緊急雇用制度の積極的な活用などを図っています。その成果として、特産品の開発など一定の成果が出るものと思っています。
 また、緑の産業再生プロジェクトを活用し、パンやバームクーヘンの製造販売をするために松崎地区に開設予定の施設については、農・商・工連携による町内農産物の活用、障がい者や健常者の雇用にも資するものであることから、積極的な支援を行いたいと考えています。


4.安全で住みやすく環境と共生する町づくり

 まず、住環境の整備について、かねて検討しておりました雇用促進住宅の購入について、より廉価な住宅を供給することにより定住促進等を図るためこれを購入することとし、今後、諸条件の整備を行うことにしています。また、これまで積極的な施策展開に欠けていた移住・定住促進のための取り組みも強化してまいります。
 防災面では、毎年実施している総合防災訓練の東郷地域での実施を予定しています。防災意識の高揚と初動態勢の周知を図るとともに災害時の要援護者支援システムの機能や初動体制の確認等にも繋げるものにします。
 環境面では、東郷池の景観や水質を守るため、アダプトプログラム設定区域の拡大を図るほか、町民一斉のクリーンアップ作戦などにより東郷池や海岸の美化にも取り組みます。また、これまで10の公共施設と6地区の協力を得て実施してきた生ごみの液肥化事業については、最終年度でもあることから、普及活動を展開し、販売態勢の確立に向けた取り組みを行うこととしています。
 道路交通網の整備は、年次計画で整備を進めており、町道松崎田畑橋線の橋脚上部工や崩落の危険を回避するため景宗寺長和田線等の整備に取り組みます。


5.共に支え合い笑顔いっぱいのまちづくり

 まず、福祉面では、平成23年度当初から町に福祉事務所を設置し、生活保護に関する事務などをより住民に身近なところでサービスを提供することにしており、機構改革も併せ行います。これまで、職員の養成等に努めてきたところですが、本来の目的が達成できるよう努力してまいります。また、障がい者団体との連携を密にしながら、自立支援や課題解決に向けたより細やかな取り組みをします。
 介護関係では、温泉を利用した筋力トレーニングなどを継続するほか、平成22年度に続き、県の補助制度を活用した小規模多機能型居宅介護施設の整備を行います。
 保健面では、乳幼児へのヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン及び中学生の子宮頸がんワクチン接種を全額公費負担で実施するほか、高齢者及び低所得者に係るインフルエンザワクチン接種、さらには、昨年から実施した高齢者への肺炎球菌ワクチンの接種費助成も引き続き行います。また、基本健診、各種がん検診の受診率向上に努めます。
 医療面では、中学生までの特別医療費について全額公費負担とします。国民健康保険の運営について、急激な医療費の増加により、平成22年度をもって基金が底をつき、また、国民健康保険税による対応では極端なアップとなることから、一般会計から法定外の繰出しを行うこととしました。基本的には、国保制度が抱える構造的な課題でもあり、制度の改正等についてより強力に国に働きかけていく必要があると思っています。
 さらに、平成22年度から始め好評の高齢者バスの定期券購入にかかる助成を引続き行い、活動支援をします。


6.参画と協働による町民が主役のまちづくり

 私はこれまで、住民の皆さんとの協働を念頭にまちづくりを進めてまいりました。集落づくり総合交付金事業による自治活動の支援のほか、まちづくり創造事業により住民の皆さんの自発的な取り組みを支援、その中から町民ミュージカル、燕趙園を活用した若者の交流の場づくり、子ども達との交流も含めたバイオリンリサイタルの開催など多くのことが生まれてきました。引き続き住民の自発的な取り組みによる地域振興や文化振興への支援を行ってまいります。
 また、東郷湖周の総合的な振興を図るため、町内各分野の皆さんと連携して取り組む「東郷湖周活性化プロジェクト」を引き続き推進し、目標達成に努めるとともに、今年度は新たに、一定のコンセプトの下、協働の概念を活用しながら、東郷湖周の道路や修景施設などを一体的に整備するようなことも進めることにしています。


 厳しい財政状況等を勘案し、私ども特別職の給与カットに加え平成21年度から実施している職員の給与カットにつきましては、平成23年度も引き続き継続することとしております。人事院勧告による給与の引き下げ、2年かけての現給補償の廃止という状況の中、しかもラスパイレス指数は92.5と県下の市町村では低い方から2番目であるにもかかわらず、そのお金を子育て・教育施設の整備基金に積み立て、将来負担の軽減を図ろうとすることで理解をしてくれた職員に感謝をし、報告させていただきます。
 「美しく活気があり、温かさと魅力に溢れ、多くの人が集うまち」、そんな湯梨浜の町づくりに町民の皆さんとともに取り組みたいと思います。
 議員各位のご理解を衷心よりお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。ありがとうございました。