ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

平成24年度施政方針

印刷用ページを表示する掲載日:2017年2月1日更新 <外部リンク>
平成24年3月8日 湯梨浜町長

 

 平成24年度当初予算を提案するに当たり、施政方針の一端を申しあげ、議員各位と町民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと存じます。
 今、我が国は多くの課題を抱えています。東日本大震災からの復興、デフレからの脱却、財政改革と新たな税と社会保障制度の確立、近隣諸国との領土問題、脱原発と新エネルギーの推進、少子高齢化による人口減と第1次産業における後継者不足など枚挙に暇がありません。
 もとよりそれらの多くは、湯梨浜町にとっても対処すべき重要な課題であり、常に念頭に置きながら、町の発展に必要なことは、積極的かつ的確に将来への布石を打つ必要があると思っています。
 この様な中、平成24年度は、以下の点に注力しながらまちづくりを進めたいと考えています。
 まず、最初に、東日本大震災、とりわけ大津波を踏まえた住民の安全を守るための取り組みです。
 災害から住民の生命・財産を守るため、合併直後からデジタル防災無線の整備、羽合地域各分団への消防車の購入、総合防災訓練の実施、アマチュア無線愛好者との連携など、積極的に防災対策に取り組んできたところですが、昨年の東日本大震災という未曽有の大災害を踏まえ、わが町でも津波対策等の強化を図る必要があります。そのため、現在県で進めておられる津波対策検討委員会の検討状況を踏まえ、町防災計画の改定、津波に対するハザードマップの作成、避難誘導看板の設置などを行うほか、住民の皆さんへの啓発活動も積極的に行う所存です。そのほか、災害時孤立住宅との情報収集手段の一つとして衛星携帯電話の購入、老朽化し狭小となっている第10分団の消防車格納庫の新設、東郷庁舎の耐震化のための実施設計にも着手するなど、災害に強い町づくりを推進してまいります。
 また、生活基盤の整備については、この3月中に松崎田畑橋線の田畑大橋が竣工することになっており、来年度からは、景宗寺長和田線の落石防止対策工事などを施工する予定にしております。
 次は、まちづくりに関してです。これまで、東郷湖の環境をベースに周辺地域の振興を図るため、「東郷湖活性化プロジェクト」により、住民の皆さんと連携しながら様々な活動を展開してきました。その結果、アダプトプログラムの推進など環境面における成果やトライアスロン大会の開催などを通じてウオーキングあるいはサイクリングコースとしての価値の創出も見られたところです。これらのことを踏まえ、新年度から、東郷湖のポテンシャルを最大限に生かしながら湯梨浜町の魅力を高め情報発信するため、概ね5年間を目途に、羽衣石の天女、すなわち伯耆の国の天女をモチーフに、天女による町づくりを推進したいと考えています。
 この取り組みは、昨年8月以来、本町出身の福井昌平さんをファシリテーター(水先案内人)に「東郷湖・未来創造会議」を設置、県・町の若手職員と住民の皆さんが、ワークショップ形式で、社会資本の整備、観光物産の活性化と顧客満足度の向上、イベント・コンテンツの開発の4つの分科会で検討を重ねてきた結果を実現しようとするものです。本年度は、イメージキャラクターの作成、全国マンガサミットに合わせたシンポジウムの開催などにより「天女の降る里」づくり事業を推進し、県とも連携したウオーキングリゾートとしての整備、さらには国の緊急雇用を活用したウオーキングカフェの運営と合わせ、東郷湖周の魅力向上を図り、より多くの人が集う街づくりを進めようとするものです
 次に子育て・教育についてです。
 新年度は、保育所・幼稚園の形態・内容等に大きな改善が図られる年です。浅津・橋津の両保育所と羽合幼稚園を統合した「はわいこども園」の開園、給食の全園自所調理方式の採用、全園幼保一体施設化の3点がそれです。このことにより、羽合地域の幼児に対しても自所で調理した給食が提供され、食育が推進されますとともに、全園幼保一体化の推進により、湯梨浜の子供たちに等しくより良い教育と保育が提供できるものと思っています。
 また、子どものほしい方たちを支援するため、これまで単町で助成している不妊治療に要する経費の助成を、効果が見られることもあり、年1回から年2回に拡大することにしています。
 続いて教育関係について申し上げますと、新年度早期に町の教育基本方針を取りまとめることにしておりますほか、現在、検討を進めている中学校の統廃合について、場所、建物整備等に関する一定の方針を出し、住民の皆さんと意見交換の上、基本設計に着手したいと考えています。
 また、公民館の在り方についても引き続き議論を重ね、住民の皆さんと合意を得たいと考えています。なお、余談ですが、平成18年度から、わが町が県下で最初に実施した小・中学校の全学年少人数学級が、県の努力により、新年度から全市町村に拡大されることになりました。県のご尽力に敬意を表し、報告させていただきます。
 次は、環境関係です。環境への負荷の低減と美化の促進を図るため、引き続き生ごみの液肥化事業や環境美化促進員制度を継続しますほか、電気自動車充電設備の設置と電気自動車のリース活用を行います。なお、泊沖に計画中の洋上風力発電施設の建設、県が再生エネルギーモデル事業で検討している温泉熱の活用、さらには太陽光発電の推進についても、その経過や動向を注視しながら、年度中途であっても、適切な対応をとってまいりたいと考えています。
 続いて、産業の振興と雇用の確保についてです。
 間もなく株式会社プレマスペースが花見小学校跡の製造工場と旭地内の販売店舗「パニーニ」をオープンされます。職員の採用も順調に推移していると伺っておりますが、障がいのある方を含め新たに60人からの雇用につながるものであり、円滑な運営が図られるよう願っています。
 そんな中、新年度から新たに、町内の空き店舗で新規開業される方へその賃借料の一部を奨励金として交付するチャレンジショップ支援奨励金制度と、町内事業所が町内在住者を正規職員として雇用した場合、その事業所に奨励金を支払う制度を創設することにいたしました。町内における起業や雇用が促進されることを期待しています。また、不況下における事業者の負担軽減を図るため、従来の小口融資に加え、小規模事業者経営改善資金に対する利子補給の助成も行うことにしております。
 農業の振興に関しては、新規就農支援、次世代梨の新植・育成管理に支援するほか、間伐等森林整備の加速化を図ることとしております。また、昨年、一昨年に続き東京での20世紀梨の販売活動を展開し、知名度のアップとブランド力の向上につとめてまいります。
 観光面では、携帯電話のコマーシャルによる「鳥取のハワイだでぇー」を生かしたPR活動等を展開したいと考えていますし、韓国、中国等からのインバウンドについても、平成22年度3千3百人であったものが、平成23年度は、震災の風評被害等により大幅に減っていることから、梨の花温泉郷の活動などを通じて、入り込み客の増に努めるつもりです。
  
 次に、健康・福祉の観点からは、各種検診の受診率向上が喫緊の課題であると考えており、新たに、保健推進委員の皆さんによる受診券の配布、受診希望票の回収を行うとともに、特定健診の検査項目に心電図、貧血検査、クレアチニン検査、尿酸検査など検査項目を加えその費用の一部を助成し、受診率の向上を図ることとしています。また、住民の皆さんの健康の増進のため、ウオーキング公認指導員の養成やノルディックウオークキング教室の開催も実施いたします。
 福祉の面では、昨年4月から町の福祉事務所がスタートしましたが、その業務は概ね順調に推移しております。現在、91世帯114名生活保護者がおられますが、より身近なところでサービスを提供できることのメリットが発揮できるよう取り組んでまいります。
 また、この4月には、町社協による小規模多機能施設「しじみの里」がオープンしますほか、社会福祉法人による高齢者のためのグループホームも建設予定であります。いずれも在宅介護や高齢者の生活支援に大きな役割を果たすものと思っています。
 なお、高齢者の健康を守るため実施している肺炎球菌ワクチンの予防接種については、これまでに915人、75歳以上の高齢者の33パーセントの方が接種済みですし、通院や買い物支援のためのバス定期券購入補助も毎年100人以上の方に利用いただいています。いずれも平成22年度から町単独事業で実施しているものですが、引き続きご活用いただき、元気にご活躍いただきたいと思っています。
 その他、移住・定住促進関係では、昨年に引き続き空き家バンクの登録制度の充実や、改修補助を行うこととしておりますほか、現「雇用促進住宅羽合宿舎」を高齢・障害・求職者雇用支援機構から買い受け、4月1日から町営住宅「はわい長瀬団地」として運営することによりその促進を図ることとしております。
 最後になりましたが、平成17年から継続してまいりました特別職の報酬カットにつきましては、職員の3年間のカットが終了する時期であること等を勘案し、平成24年度は実施しないことといたしましたので、お断りを申し上げておきます。
 以上、多少長くなりましたが、平成24年度の町政執行に当たっての私の所見を申し上げました。引き続き住民の皆さんの参画と協働により、「美しく活気があり、温かさと魅力にあふれ、多くの人が集うまち」そんな湯梨浜の町づくりを推進してまいりたいと思います。皆さんの変わらぬお力添えをお願いします。ご清聴ありがとうございました。