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平成29年度施政方針

印刷用ページを表示する掲載日:2017年2月10日更新 <外部リンク>

                                  平成29年3月6日

 

 平成29年度当初予算を提案するにあたり、所信を申し述べ、議員各位及び町民の皆さまのご理解とご協力を賜りたく存じます。

 新年度は、特徴的なこととして、鳥取県中部地震を踏まえた防災対策の強化と復興の促進、湯梨浜町の未来を創るための積極的な施策展開、全国に打って出る情報発信などが挙げられます。

 まず、1点目の復興の促進と防災対策の強化についてです。昨年10月21日に発生した鳥取県中部地震はわが町にも多くの被害をもたらし、被災世帯数も、2,000世帯を超えました。今議会で議決をお願いする平成28年度3月補正予算後の鳥取県中部地震関連予算の総額は、一般会計分で4億2千9百万円、特別会計分が1億8千4百万と総額6億1千3百万円に上っており、そのうち、一般会計分1億7千2百万円と特別会計分1億3千4百万円の合計3億6百万円を平成29年度へ繰り越すこととしており、これに平成29年度当初予算の一般会計分1億6千1百万円、特別会計分7百万円を加えますと、平成29年度の執行予定額は一般会計分3億3千3百万円、特別会計分1億4千1百万円の合計4憶7千4百万円の事業を実施することになります。これらをなるべく早く、円滑に進めてまいらねばなりません。

 また、ソフト面では、被災者住宅再建支援補助金等の円滑な交付と復興対策本部を通じた再建支援を積極的に行うとともに、この度の地震を踏まえた集落毎の防災対策の強化、県と連携した町防災計画の見直しを行うなど、町の防災力強化に取り組みます。さらに、震災からの復興活動支援として行われる「由紀さおり・安田祥子童謡コンサート」の開催支援、復興PRと閑散期の集客増を図るため旅館組合が行うダイレクト予約キャンペーンの支援等も行い、物心両面での震災からの復興を促進します。

 2点目の湯梨浜の未来を創るための積極的な施策展開については、まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げる施策の実施に努めますが、ここでは地方創生推進交付金を活用して行う予定の生涯活躍のまちの推進とグラウンド・ゴルフの国際化について申し上げ、その他の項目は、後ほど分野別に申しあげます。

 生涯活躍のまち(日本版CCRC)については、この3月で基本計画の策定が終わり、松崎地区の多世代地域交流拠点施設や総合相談センター、お試し住宅の実施設計と建築工事に着手しますが、なるべく早期に、できることから実践に移す一方で、サービス付き高齢者住宅、町営住宅、一般分譲宅地等の需要調査などの進度を早め、全体事業の早期着手を図りたいと考えています。

 また、グラウンド・ゴルフの国際化つきましては、県や日本グラウンド・ゴルフ協会とも連携し、近隣諸国へのグラウンド・ゴルフの普及、発祥地である「潮風の丘の聖地化」、ワールドマスターズゲームズ2021に向けた国際大会の開催などに取り組んできました。その結果、これまでに7か国と交流を持ち、過去2度の国際大会には、海外6か国から193人に参加していただき、日本在留の外国人を含めると、16か国229人の外国人の参加を得ました。今後は、国の観光庁や文部科学省、外務省等へも働きかけ、海外の国々及び各国大使館等を通じた海外諸国への道筋をつけ、国際組織の立ち上げ等ワールドマスターズゲームズ世界大会に向け、取り組みを加速します。

 3点目の打って出る情報発信については、様々な事業を通じて、首都圏あるいは関西等の都市圏で湯梨浜町及び産品のPR等に努め、移住促進、新規就農者の確保、産業の振興等を図ることにしています。

 具体的には、まず、生涯活躍のまち推進のため、首都圏のフェア等での相談会や移住やサービス付き高齢者住宅の需要掘り起こしのためのセミナー等を開催するほか、移住体験ツアーやお試し住宅への入居促進等を進めます。

 また、産業関係では、東郷二十世紀梨の更なるブランド化や販路拡大、更には商品開発や新規就農の促進を図るため、大手芸能プロダクションと連携し、お笑い芸人を当町に居住させ、梨栽培の様子をWEBやメディア等により全国へ情報発信することとしています。

 さらに、これらを展開するための大本の素材として、町内の女性をターゲットにしたポスターや湯梨浜を紹介するDVD等を作成し、首都圏主要駅への掲出、セミナー開催時の湯梨浜町紹介のツールとして活用するほか、それらの女性が従事する産業等を大手新聞・TV等とタイアップして、情報発信することにより、産業の振興や地域活性化、男女共同参画ひいてはワークライフバランスの確立等を図る、「ゆうゆうゆりはま」事業を展開します。

 加えて、ふるさと名物応援事業に取り組んでおられる民間事業者による体験プログラムの紹介やコースの動画作成等のウオーキング商品づくり、旅行業者のモニター誘致、商談会への参加、アプローチも行われる予定です。

 このようなことから、かつてないほど湯梨浜町の情報発信がある年になります。

 これらが、平成29年度の特筆すべき事柄ですが、そのほかにも新規施策、重要施策等が多くあります。以下、分野別に申し上げます。

 まず、町民の安全で快適な生活の面から、道路整備については、松崎田畑橋線2期工事、新中学校の通学路である長和田小池線の整備などを進めます。

 そのほか県と町が連携して進めている筒地地区地すべり対策工事の完成、県により行われる藤津の急傾斜地崩壊対策の工事着手、国による青谷羽合道路安全対策工事の促進など、大型工事も着実に進められています。
下水道については、東郷地域の管渠更生、新中学校への管渠敷設のための実施設計と水道配水管敷設と同時施工の管渠敷設工事を行います。

 水道では、主に湯梨浜・倉吉間緊急連絡管敷設、南谷等の配水管敷設・改良工事、安定的供給のための羽合東郷管敷設工事等のほか、将来に向けた管路更新計画の策定、新規水源地調査も実施します。

 さらに、公共施設について、ハワイアロハホールの設備等の改修や更新、中央公民館の屋上防水工事を施工するほか、平成28年度に実施した空き家の調査結果を踏まえ、危険度が高い空き家の除去等に取り組みます。
 次に、まちづくりの面では、「天女のふる里づくり」の一環として、ふるさと納税等を活用して、東郷湖周に桜の木等を植樹し、湖周の魅力を高めるため、東郷湖「花」基金を創設するほか、宇宙を旅した四国・仁淀川町のひょうたん桜の種から生育した苗木を宇宙から舞い降りた「天女桜」として植樹し、100年、200年後の一本名木を育てる事業に取り組みます。
また、泊地域で進めている小さな拠点づくりの検討を促進し、年度内に、基本的な事業計画の策定にこぎつけたいと考えています。

 次に、移住・定住の促進については、若者世帯の住宅新築等を支援する若者夫婦・子育て世代住宅支援事業について、平成28年度に40件の活用があったことから、予算額を大幅に増やすとともに、全町的な促進を図るため、新築等の場所が過疎地域、中山間地域である場合には、かさ上げ補助を実施したいと考えています。そのほか、県外都市部からの移住促進のため、川上地区のお試し住宅の運営を開始するとともに、土地開発公社分譲地で、モデルハウスを建築・運営する事業者に対する支援制度を検討します。

 次に、産業振興関係では、農業については、産地パワーアップ事業で農家への低コストハウスの導入を支援するほか、二十世紀梨を守る事業により新植等を行う農業者を支援します。
漁業については、平成28年度予算で実施に至らなかった泊漁港周辺を中心とした地域活性化を図るため、海の駅協議会及びその会員が行うブランドデザインの作成、ブランド構築のためのコーディネート、新商品開発のための設備新設の支援等を行います。

 次に健康づくりの面では、今秋、本町で日本ノルディック・ウオーキング学会が開催されるのに併せ、「ゆりはま天女ウオーク」を開催するほか、町内七つのウオ―キングコースへ多言語案内表示を設置し、いつでも誰でも歩けるコースづくりに取り組み、町民の健康増進と町外ウオーカーの集客を図ります。
また、昨年、県のモデル事業として実施したフッ化物洗口を、今年度から単町事業として、町内小・中学校で継続して実施します。

 なお、平成30年度からの「健康ゆりはま21」プランを策定する年であり、現状分析の中で、健康寿命を延ばす取り組みをしっかりと盛り込むようにしたいと考えています。

 福祉関係では、引き続き地区集会所等のバリアフリー化支援を行うほか、70歳以上の高齢者のみの世帯で免許を自主返納された方及び障がい者の方等へのタクシー利用助成制度を創設します。

 また、認知症の人やその家族を支援するため、認知症初期支援チーム及び認知症地域支援推進員を配置し、訪問等による適切なサービスの提供と認知症ケアの向上を図る事業などを充実します。

 子育て支援については、1歳6か月までの児の家庭内育児支援を引き続き実施するほか、人員の確保が整ったことにより、子育て世代包括支援センターいわゆるネウボラを本格稼働させ、専門スタッフによる訪問や相談サポート等を充実させます。加えて、産後1か月の産婦健診の助成と町単独による1か月児健診の助成を行います。

 なお、これらのうち、わが町が平成27年度から始め、現在は、1歳6か月まで延ばして実施している1歳未満児の家庭内育児について、県が新年度から支援制度を設け、より広く県内他市町村でも推進されるようになったこと、これまで県を通じ国に要望してきた産後1か月の産婦健診及び生後1か月児健診の公費支援のうち、産後1か月の産婦健診が国の公費負担支援の対象となったことは、とても喜ばしいことだと感じています。

 教育関係では、新中学校の校舎棟、学校給食センターの建築工事が本格化するほか、現中学校の跡地利用の検討に着手します。また、泊小学校で小規模校であることを活かした充実した教育を提供するため、特定地域選択制を導入し、羽合地域の小学生が泊小学校に通学するようになりますが、課題は地域との連携にあると思っています。子ども会など、地域の中での変わらぬ関係の維持について、集落の方と保護者の方、双方のご理解をこの場を借りてお願いします。

 以上、新規施策を中心に平成29年度町政で推進する主要事業等を申し述べました。平成29年度は、予算規模もさることながら、震災対応、産業を強くするための様々な施策、住みやすく活気のある地域づくり、情報発信の大幅な強化など、例年にも増して、創造力やスタミナが求められます。

 役場職員が一丸となって、これらを推進し、足腰が強く、魅力と活気に溢れるまちの実現に努めてまいりますが、いつも申し上げているように、防災、産業の振興、福祉、教育等のそれぞれの分野で、町民の皆さんあるいは地域ぐるみの活動が不可欠です。町民の皆さんの参加とご協力をお願いして所信の表明とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。