ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 組織で探す > 総務課 > 令和2年度施政方針

令和2年度施政方針

印刷用ページを表示する掲載日:2020年12月4日更新 <外部リンク>
      令 和 2 年 度 施 政 方 針

                                  令 和 2 年 3 月 5 日

 令和2年度当初予算を提案するにあたり、町政の執行に関する所信の一端を申し上げ、議員各位、そして町民の皆さんのご理解とご協力を賜りたく存じます。

 さて、昨年は、新天皇の即位に伴い「令和」の時代が到来し、即位の礼など様々な式典が行われましたが、11月14日と15日に行われた大嘗祭には、わが町の篤農家が栽培した米が献納され、私達町民にとっても誇りであり、大きな喜びでございました。

 また、ラグビーのワールドカップでジャパンが大活躍し、「ワンチーム」という言葉とともに、多くの国民に感激をもたらしました。選手たちが払った多大な犠牲と努力は、すがすがしい記憶として心に焼き付いています。しかし、相次ぐ自然災害により、全国各地が大きな被害を受けた年でもありました。

 今年に入ると、中国に端を発した新型コロナウイルスによる感染症は、国内でも流行し始め、本日3月5日の午前2時現在で81の国と地域で流行し、罹患者数も増える一方です。当初は観光客等「ヒト」の動きが止まり、次には工業製品等に係る「モノ」の動きが、それらに伴い「カネ」の動きも止まり、人々の心には暗雲が垂れ込め、経済も大打撃を受けています。

 一日も早い終息を願いますが、グローバル化した社会にあっては、自然災害における防災・減災対策と同様、感染症についても拡大防止のためのルール(対策)作りをすることが肝要だろうと、思っています。

 前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
令和2年度湯梨浜町一般会計当初予算は、103億を超える大型予算となりました。その理由等につきましては、後程、副町長の予算概要説明などで申し上げますので私からは省略いたします。
令和2年度予算の特徴としては、地方創生事業の中で事業の成果が出ている事柄のさらなる進展と町民運動として長いスパンで取り組む新たな事業、光ケーブルの情報基盤など、町が先進的に整備したものの更新で最終年度に当たるものが多いことなどを感じています。
以下、新規事業を中心に、具体的に申し上げます。

 まず、地方創生にかかわることですが、生涯活躍の町として、民間事業者によるレークサイドビレッジゆりはまの開発行為が12月に完了し、2月1日から福祉施設の建設工事も始まりました。現在のところ分譲宅地の売れ行きも良好で、67宅地のうち43宅地が販売済みと伺っています。福祉施設のうち、グループホーム、障がい児・者生活支援センターは7月には完成と仄聞しています。リハビリテーション・デイサービス及び放課後等デイサービスは、現在、予定として計画中、サービス付き高齢者住宅は開発会社が事業者を公募中です。なお、このゾーンに整備する予定の町営住宅のための用地取得も進めます。

 グラウンド・ゴルフの国際化につきましては、普及活動と交流を進めてきた結果として、現在世界10か国にグラウンド・ゴルフ協会があり、2か国で設立に向けた準備をしておられます。また、これまで本町で開催した5度の国際大会には海外から11か国538人の方が、留学生等の国内の外国人も加えると638人の外国人にご参加いただいています。ここで残念なことを報告させていただきます。それは、今年5月29日・30日開催予定の「グラウンド・ゴルフ国際大会Yurihama 2020」を中止にしなければならないことです。理由は、コロナウイルスによる日本への渡航制限、あるいは日本で広く流行しているという判断から参加される国が見込めないためです。今回の大会は、プレ大会として協会未設置の国からも多く来てもらおうと考えており、知事にもご出席をいただきオリンピック関係のイベントも計画されていたことから、とても残念です。その分、来年の「ワールドマスターズゲームズ2021関西」の本番に向け、更なる普及と海外愛好者の皆さんとの交流強化に力を入れなければと考えています。また、ウォ―キングの面では、韓国チェジュオルレとの「友情の道」について、国同士の関係悪化により協定の締結が遅れていますが、出来れば上半期に協定を結びたいと考えています。グラウンド・ゴルフ、ウォーキング何れも相互の交流を深めながら、スポーツ・ツーリズムによる交流人口の拡大を図りたいと考えています。

 移住・定住促進の面では、都市部でのPR活動、移住セミナーの開催、移住体験ツアー等により湯梨浜町へ興味を持っていただき、関係人口及び移住と定住につなげてまいります。
泊地域の小さな拠点づくりは、現在、買い物拠点の運営方法を地元住民の皆さんで検討中であり、それらの結果を踏まえ基本設計を行います。

 健康づくりにつきましては、平成30年からゆりはまヘルシークラブをつくり、食と運動による健康づくりを進め、参加された方の結果を見ますと健康づくりには貢献できたと思っていますが、会員数は160名程度に止まり、目標数には遠く及ばないものでした。その理由は、町民の皆さんへの動機づけの不十分さや始められた方への相談・指導等の適切なフォローがなされていなかったことなどにあると考えており、新年度からは、全国の4つの自治体と連携し、先進市のノウハウ等を活かしながら、民間の資金も活用して、5年間で1,400人の会員を目指し、町民運動として強力に取り組んでまいりたいと考えています。先進の市町では、これらの取り組みにより、生活習慣病の予防・脱却、医療費の減少が証明されています。議員の皆さんはもとより、住民の皆さん、もちろん高齢者の皆さんもそれぞれの年代に応じた内容ですので、ぜひともご参加ください。
 加えて、脱フレイル大作戦と銘打ち、各種プログラムを導入して、Mci(軽度認知障がい)やフレイル傾向の高齢者の皆さんを早期に発見し、早期の予防を行うほか、認知機能の低下が見込まれる高齢者への運動・知的活動・座学を効果的に組み合わせた鳥取方式認知症予防プログラムを提供することで、認知・運動機能の低下を防ぐ取り組みも始めます。

 住民の安全・安心のまちづくりにつきましては、まず、防災の観点からは、平成30年度から進めているデジタル防災無線の更新工事が、屋外拡声子局の更新により完了します。また、役場本庁舎が浸水する可能性を考慮し、万が一の災害時でも安定した行政情報ネットワーク運営ができるよう、現在1階に設置している鳥取情報ハイウェイの接続機器を2階へ移設します。
 また、下水道では、松崎地区浸水対策として、新町川雨水ポンプ場の詳細設計、龍島ポンプ場の本体工事に着手します。さらに、ため池ハザードマップを作製し、関係住民の皆さんに周知しながら、有事の際の迅速・安全な避難体制を整えます。
 このような形で災害防止には、不断の努力を払ってまいります。

 生活環境の面では、平成30年度から行っている光ファイバーネットワークによる情報通信基盤いわゆる「ゆりはまネット」の更新も泊地区と羽合地区の半分が終わる見込みであり、最終年度として、羽合地区の残り半分と東郷地区の更新整備を行います。また、新規道路整備として町道久留鴨井手線の改良工事に着手するほか、県による県道長和田羽合歩道設置工事及び国道179号バイパスの用地買収への着手もあります。水道では羽合地域の下浅津、久留、橋津の各地区の配水管更新工事を行います。なお、上・下水道とも平成21年以来11年以上料金の改訂を行っていません。健全な財政を確保し、将来に向かって必要な事業展開ができるよう令和2年度中の料金改定を行いたいと考えており、町民の皆さんのご理解を賜りたいと思っています。

 まちづくりの面では、旧北溟中学校及び旧東郷中学校などの跡地利用について、民間提案制度の活用による提案募集・企業誘致活動を展開します。また、総合計画及び過疎計画の最終年度であることから、それらの計画策定を行うとともに、東郷湖周の優れた景観を守るための景観条例等の策定の歩みを速めたいと考えています。
 
 産業及び観光振興の面では、まず農業面で、秋には、松崎駅南梨生産団地が完成し、いよいよ2月1日ヘクタールの樹園地で、新規就農予定者2人を含めた8人による新甘泉、王秋のジョイント栽培等が始まります。また、新規事業として、ブドウなど本町の特産品である施設園芸農産物や梨の生産体制強化を図るための施設整備助成制度を設けるほか、就農相談会などで就農に興味を持たれる方を対象にする農作業体験ツアーの支援、農業者が加入される収入保険の保険料の一部助成などを始めます。
 そのほかイノシシの被害対策としての支給する奨励金を猟期でも1万円を交付することとし、捕獲の促進を図ることとしました。
 また、観光面では、教育旅行促進のためのドラゴンカヌー桟橋の整備や3年目となる潮風の丘の芝生張替えの最終分としての多目的広場の張替え及びトイレの改修工事を行います。ゆうゆうゆりはま事業は、最終年度として、効果的な情報発信などにより、町の全体的なイメージアップや農産物のブランド化、販路拡大などを図ります。さらに、昨年は「めぐる」「たべる」「つかる」がコンセプトのウォーキング大会である「Onsenガストロノミーウォ-ク」で最優秀賞をいただきました。賞をいただけたのは実行委員会を始め関係者の皆さんのご尽力のおかげです。わが町の特徴を活かせるイベントでもあり引き続き開催し、磨きをかけ、天女ウォークともども全国に発信します。

 福祉の面では、8050問題をはじめとする引きこもり対策など多様かつ困難な福祉課題に対応するため、各制度の相談支援機関を総合的にコーディネートし、多機関が協働して必要な支援が継続実施できるよう相談支援包括推進員を町社会福祉協議会に委託配置し、チームとして包括的・総合的な相談体制を構築するほか、65歳以上の自動車免許自主返納者に対する支援と路線バスの利用促進を目的に、高齢者バス定期券購入費助成を拡充します。また、生活困窮者の自立支援のため、引き続き「暮らしサポートセンターゆりはま」での相談者の状況に応じたサポートを実施してまいります。障がい者福祉計画の策定も行います。

 子育て関係では、4月1日から民間の事業者によるニチイキッズ湯梨浜ながえ保育園が開園します。0歳児から2歳児までを預かる認可保育所で、町内一部地域の入園困難、保育士不足の解消に貢献いただけると思っており感謝しています。また、たじりこども園の基本設計への着手も検討するほか、県と連携して産後ケアにおける利用者の自己負担の免除を行います。なお、工事着手が遅れ繰越事業で実施している羽合第2放課後児童クラブは9月中旬に完成予定で、当初の予定より半年遅れてしまいました。この場をお借りしてお詫び申し上げます。

 教育関係では、国のGigaスクール構想の実現に向け、昨年に続き、小・中学校でIctを活用した教育を推進するため、大型提示装置やパソコン、タブレット等の機器整備やIct支援員の配置、キャリア教育の推進などハード・ソフト両面からの環境整備を行います。また、湯梨浜中学校の駐車場増設工事、旧北溟中校舎の解体工事、旧東郷中校舎や老朽化した桜コミュニティの体育館の解体設計を行います。

 社会教育関係では、町中央公民館泊分館の実施設計と建設工事着手を考えているほか、文化財関係では、国道179号バイパス整備に係る文化財発掘調査、羽衣石城国史跡に向けた調査と登山道の整備、尾崎家住宅の保存補修に伴う発掘調査を行います。

 令和2年度は、このようなことに取り組みながら町政を推進してまいりたいと考えています。不確定な時代にあっても、私たちの町にあるものを、町民みんなが力を合わせて、磨き、育てていくことが、足腰が強く魅力のある町につながると信じています。引き続き町民の皆さんのご参画とご協力をお願いし、所信の表明とさせていただきます。ありがとうございました。