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湯梨浜町でタッチパネル式認知機能検査を受けたことがある皆様へ
「社会実装されたとっとり方式認知症予防プログラムの効果に関する検討」について
はじめに
鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座と湯梨浜町役場では、2020年4月1日から2024年3月31日までに湯梨浜町で実施したタッチパネル式コンピュータを用いた認知機能検査を受けた人を対象に、湯梨浜町役場に保管されている情報をもとにして研究を実施しています。この研究は鳥取大学医学部倫理審査委員会の承認を経て、医学部長の承認を受けています。詳細は以下のとおりです。
1. 研究概要および利用目的・方法
湯梨浜町では2020年度から、集団健診、サロン、自宅訪問にて実施したタッチパネル式コンピュータを用いた認知機能の簡易スクリーニング検査(物忘れ相談プログラム:MSP)により軽度の認知機能低下が疑われた人を対象に認知症予防のための教室(脳活教室)を開催しています。この教室では、過去の研究で認知機能や身体機能の向上効果がある可能性が見出された、運動、知的活動、認知症に関する正しい情報提供のための座学で構成されている“とっとり方式認知症予防プログラム”を提供しています。このように認知機能低下の早期発見と進行予防に関する取り組みを2019年度から今日に至るまで毎年継続してきました。
今回行う研究では、2020年4月1日から2024年3月31日までに湯梨浜町で実施したMSPで軽度の認知機能低下が疑われた人(10~13点だった人)のうち認知症予防のための教室の案内を受けた人、かつ案内の時点で介護保険を申請していなかった人を対象に情報を集めさせていただきます。集めた情報を用いて、教室に通った人と通わなかった人の介護保険認定状況や生存状況を比較し、「教室参加の有無により認知症の発症割合に差があるのか」「教室参加の有無により介護保険認定割合に差があるのか」「教室参加の有無により死亡割合に差があるのか」についての検証を行います。また、教室に通った人の情報から「教室参加により認知機能や身体機能が向上したのか」の検証を行うことも予定しています。この分析により、過去の研究成果をもとに社会実装されたとっとり方式認知症予防プログラムの効果を検討し、その結果を踏まえて今後の認知症予防対策に関する事業の在り方を考えていきたいと思っています。
すべての情報は、鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座で集計されます。なお、情報は、研究責任者が責任を持って保管、管理します。本研究の対象者さんは、他の研究対象者への個人情報保護や本研究の独創性の確保に支障がない範囲で、研究計画書及び研究の方法についての資料を入手又は閲覧することができます。希望される方は、遠慮なく問合せ窓口にお申し出ください。
2. 取り扱う情報
湯梨浜町役場に保管されている情報のうち以下の項目を集めさせていただきます。なお、湯梨浜町で行っている認知症予防に係る調査・分析の一環として鳥取大学が情報提供を受け、専門的な立場で解析を行います。
【全ての研究対象者さんから収集する情報】
性別、タッチパネル式コンピュータを用いた簡易認知機能検査(MSP)の実施日と結果、MSP実施時の年齢、教室への参加の有無(有りの場合は参加年度や参加回数に関連する情報も収集)、介護保険認定に関する情報(認定日や申請理由、認定時の年齢)、生存状況、湯梨浜町外への転出状況
【教室に通った研究対象者さんのみ追加で収集する情報】
教室参加前後に実施したタッチパネル式コンピュータを用いた簡易認知機能検査(MSP)の実施日と結果、教室参加前後に実施した身体機能検査(握力、歩行速度、開眼片足立ち時間の結果)の実施日と結果
3. 研究期間
この研究は、鳥取大学医学部長が研究の実施を許可した日から2025年3月31日まで行う予定です。
4. 個人情報保護の方法
対象者さんの情報は、研究責任者が責任をもって保管、管理します。また、氏名などの直ちに個人を識別できる個人情報は匿名化*され、本研究では匿名化された情報を使用します。このようにして対象者さんの個人情報の管理については十分に注意を払います。
*匿名化について:本研究にご提供いただく情報については、対象者さんの氏名など、対象者さん個人を直ちに特定できるような情報をすべて削除し、代わりにこの研究用の登録番号をつけます。なお、研究の過程で情報がどの対象者さんのものかを知る必要がある場合も想定されます。その場合に備えて、情報と対象者さん個人を結びつけることのできる対応表を作成させていただきますが、この対応表は情報提供元が管理し、研究責任者に提供されることはありません。 |
5. 研究への情報提供による利益・不利益
利益・・・今回の研究に情報をご提供いただいた対象者さん個人には、特に利益と考えられるようなことはございませんが、研究の成果はとっとり方式認知症予防プログラムを活用した認知症予防対策に関する事業の在り方を検討するために有益となる可能性があります。なお、情報を使用させていただいた対象者さんへの謝礼等もありません。
不利益・・・既に調査した情報の収集のみであるため、特にありません。
6. この研究終了後の情報の取り扱いについて
今回、集めさせていただく対象者さんの情報が医学の発展に伴い、新たな重要な情報をもたらす可能性があります。このため、対象者さんの情報は、この研究終了後も保存させていただき、他の研究に使用させていただくことがあります。その場合は、新たに研究計画をたてて研究に参加する機関の倫理審査委員会での審査を経て、他の研究に使用させていただきます。
情報は、当該研究の終了について報告された日から5年を経過した日又は当該研究の結果の最終の公表について報告された日から3年を経過した日のいずれか遅い日までの期間保存します。保存期間終了後は、対象者さん個人を特定できない状態にして適切に廃棄します。
7. 研究への情報使用の取り止めについて
対象者さん個人の情報を研究に用いられたくない、または鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座への情報の提供を停止したい場合には、いつでも取り止めることができます。取り止めを希望された場合でも、何ら不利益を受けることはありませんので、下記【問い合わせ窓口】までお申し出ください。
取り止めの希望を受けた場合、対象者さんの情報を使用することはありません。この場合には、個人を特定できない状態にして、速やかに廃棄させていただきます。しかし、取り止めを希望した時点で、すでに研究成果が論文などで公表されていた場合のように、結果を廃棄できない場合もあります。
8. 当該臨床研究に係る資金源について
本研究は、鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座の研究費又は科学研究費助成事業(研究課題番号:22K17371)で行っており、特定の企業からの支援を受けて行われるものではなく、利益相反状態にはありません。
9. 研究成果の公表について
この研究の結果は鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座、湯梨浜町役場で共有して活用します。研究成果が学術論文、学会発表、講演会、セミナー、資料等の様々な場所や媒体で公表されることがありますが、その場合も、対象者さんの個人が特定される情報は全て削除して公表します。情報の秘密は厳重に守られますので、第三者に対象者さんの個人情報が明らかになることはありません。
10. 知的財産権の帰属について
本研究の結果、特許などの知的財産が生じる可能性もございますが、その権利は鳥取大学に帰属し、あなたには帰属しません。
11. 問い合わせ窓口
本研究についてのご質問だけでなく、対象者さんの情報が研究に用いられているかどうかをお知りになりたい場合や、対象者さんの情報の使用を望まれない場合など、この研究に関することは、下記の窓口までお問い合わせ下さい。
【研究責任者】
河月 稔 鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座
〒683-8503 鳥取県米子市西町86
TEL:0859-38-6358
【湯梨浜町役場福祉課】
湯梨浜町役場福祉課
〒682-0723 鳥取県東伯郡湯梨浜町久留19-1
TEL:0858-35-5378
*この研究に関する情報は、鳥取大学医学部附属病院のホームページに掲示しております。
(URL:http://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/introduction/3107/<外部リンク>)