【第2期】湯梨浜町福祉のまちづくり計画
【第2期】湯梨浜町福祉のまちづくり計画を策定しました。
湯梨浜町福祉のまちづくり計画【概要版】 PDF (PDFファイル)
これまでの福祉施策は、高齢者や障がい者などのために、段差の解消などの物理的なものを始めとする障壁(バリア)を取り除くという「バリアフリー」という概念を元に進められており、平成20年に策定した第1期福祉のまちづくり計画でもバリアフリーを基調にした多面的な環境整備を基本方針としています。
ところが、バリアフリーが定着していく一方で、近年、「ユニバーサルデザイン」という概念が急速に浸透してきました。
ユニバーサルデザインとは障がいの有無、年齢、性別、国籍などに関係なく、すべての人の多様なニーズを考慮し、安全、安心で快適に利用できるよう建物、製品などを計画し、設計する考え方です。その発想の原点には「健康で若い人」を平均的として計画、設計するのではなく、多様な個性をもつ人々の利用を前提としています。
障がい者、高齢者、子どもなど多様な個性をもつすべての人が安心、安全で快適に暮らすことができる社会を実現させるためには、物理的、社会的なすべての障壁を取り除くバリアフリーという概念とともに、そこから一歩進んで新しい障壁が生じないように誰もが利用しやすくデザインするユニバーサルデザインという概念に立った施策を行う必要があります。
また、本町をにぎわいと活力のある町にするためには、観光産業の振興や移住定住の推進を図る一方で、受け入れ環境の整備を推進していかなければなりません。人をまちづくりの中心に置き、多様な特性を持つ人が安心して快適に暮らせるユニバーサルデザインを基調とした環境整備を進めていくことが必要です。
本計画では、ユニバーサルデザインの考え方を基本理念として取り入れ、今後、すべての人にやさしいまちづくり「福祉でまちづくり」の実現に向けた取り組みを推進していきます。
【基本的視点1】
すべての人が円滑な移動、施設利用ができるための物理的な環境整備
障がい者、高齢者等が社会参加をするに当たり、移動や施設の利用は重要な手段であることから、日常生活上で利用する建築物、道路、公共交通などにおいて、移動等の円滑化を進めることは、自立に向けて極めて重要です。不特定多数が利用する施設のバリアフリー化はもちろん、施設までの移動経路も含めた生活空間における面的整備を推進していきます。
【基本的視点2】
すべての人が地域で自立して暮らすためのバリアフリー化への推進
住宅は生活の基盤であり、集落は地域コミュニティの基礎単位です。住宅及び集落の様相は個人の生活の質はもとより、町のもつ活力や景観、地域社会の維持形成に密接に関連しています。
誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、高齢者や障がい者等が安全に暮らせる住環境の整備とともに、地域の拠点である集会所等を整備し、地域の一員として孤立することなく、包摂的に支え合うような体制づくりに貢献します。
【基本的視点3】
多様な特性をもつ人々に配慮した情報のユニバーサルデザインの推進
障がい者や高齢者を含めたすべての人が地域の中で自立して生活していくためには、必要な情報を必要なときに入手し、発信できることが必要です。
得られる情報の量や質は社会的格差にもつながり、必要な情報を容易に入手できるように、情報障壁(バリア)を有する人々の特性に応じた情報提供の取り組みを展開していきます。
また、CCRC事業や2020年に開催される東京オリンピックのキャンプ地誘致など今後本町には国内外から多くの人々が流入、交流することが想定されることから、外国人など多様な特性をもつ人々が本町の観光資源、文化などを楽しむことができるようにハード面、ソフト面の両面から配慮した取り組みを推進していきます。
【基本的視点4】
災害時・緊急時のときにも安全で安心なまちづくり
平成23年3月に発生した東日本大震災、熊本地震及び平成28年10月に発生した鳥取県中部地震の教訓を生かし、自助、公助だけでなく共助(地域防災力)の力を向上させ、地域住民が主体となった安全で安心なまちづくりの実現を目指します。特に災害時の情報伝達体制の整備、避難経路の確保、救護対策、防災知識の普及など要配慮者の視点に立ったきめ細やかな取り組みを行っていきます。
さらに、災害時だけでなく平常時の見守り体制も強化を図り、地域の中で安心して生活できるようなまちづくりを進めていきます。
【基本的視点5】
心のユニバーサルデザインの意識醸成と社会参加の促進
現代社会は障がい者、高齢者、子ども、妊婦、外国人など様々な特性を持った人々で構成されています。すべての人々の人権が平等に尊重される社会の実現を目指すため、福祉教育を推進し、住民の意識啓発を行っていきます。
ハード面やソフト面に加え、互いの特性や個性を認め合い、他者への思いやりの心を育むようなハート面の取り組みを一層進めていきます。
また、障がい者や高齢者、子育て世代が社会の担い手として役割と責任を果たしつつ,自信と喜びを持って生活を送ることができるような社会の実現を目指します。
【基本的視点6】
ユニバーサルデザインの視点に立った地域活性化とまちづくり
ユニバーサルデザインの核となる「すべての人々のため」という概念に基づき、地域の支援体制の強化や住民やNPOなどの民間団体と協働し、参画できるまちづくりを目指します。また、通学路や積雪対策など地域の特性や環境に着目したまちづくりを推進していきます。
現在、本町が取り組んでいる地方創生事業の「小さな拠点づくり事業」にもユニバーサルデザインの概念を取り入れた事業展開を検討していきます。