第4編 民俗
第5章 民謡
第1節 盆唄

投げ出し
 投げ出しも東伯地方の盆踊り唄である。三ツ星踊りのさなかに、三ツ星に飽きた一部の踊り子が気分転換にこの踊りを踊った。唄の節や踊りは三ツ星踊りとはかなり異なるが、太鼓のテンポには合わすことができたので、三ツ星踊りと一緒に踊ることができた。しかし、三ツ星踊りの連中から踊りを乱すとして、「どこのお方か踊りが違う、違うはずだよ コリャよその人」と歌われ、嫌われる場合が多く、自然に三ツ星踊りに戻った。歌詞が七七七五調であるため、時には三ツ星盆唄の歌詞がそのまま用いられた。
(歌詞)
○チョイトここらで 三ツ星やめて
 当世ばやりの 投げ出しを 投げ出しを(以下、繰り返し省略)
○あなたみたよな 牡丹の花が
   咲いていました 来る道に
○今夜夜もよし 踊りもござる
   小松林で 灯が見える
○一人娘と 春(はる)日の晩は
   くれるようでも くれかねる