第四編 民俗
第四章 人の一生
第四節 厄年と年祝い

年祝い
 六一歳は還暦といい、厄年の一つに挙げられ、子供が親を祝う年とされた。他家に嫁いでいる娘は、綿入れの着物を縫って贈った。昭和十年代後半ごろから、紫の布団を贈るように変わった。紫は色がさめやすいので、病気や厄から早くさめる(逃れる)ことができるように、との願いが込められた。また、この年に家財道具を一つ増やせば、厄から逃れることができるともいわれた。
 なお、七七歳の喜寿、八八歳の米寿の祝いもあるが、昔は該当する長寿者が少なかったためか、あまり聞かれなかった。
   
<前頁
次頁>