第四編 民俗 第四章 人の一生 第一節 出生 宮参り 男児は生後三一日目、女児は三三日目に忌〈いみ〉が明け、氏神に宮参りをした。初着を着て取りあげばあさんに抱かれて参った。産婆に代わってからは実家の親が連れて参った。母親は参らなかった。宮参りによって神とのつながりが生じ、氏子として、村の一員として認められる第一歩になった。 神社には神酒と宮参りだんごを供えた。だんごはただ米にもち米を少し混ぜて固目に作った。子供の頭が固く(丈夫に)なるといわれた。宮参りだんごは赤飯の中に七個入れ、親せきにも配った。長和田では、濃い親せきは和紙一帖と苧〈お〉(麻の茎からとった繊維で丈夫であることから丈夫に育つようとの意を含めた)を移り(謝礼の品)とした。 なお、産児の頭髪をそる初毛ぞりを宮参りまでに行った。 |
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