第四編 民俗
第三章 生産・生業
第二節 漁労
 二  伝統的な漁法

刺し網漁
 刺し網漁は、別名・かけ網漁とも呼ばれる。東郷湖の伝統的な漁法の一つである。ワカサギ、セイゴ、フナなど、獲る魚種によって網を変える。浮きとおもりをつけた長さ二〇〜二五メートルの網を、夜仕掛け、翌朝引き揚げる。このうち、シラウオ獲りでは集魚灯にランプを使う。シラウオが赤味を帯びた光に誘われるためである。
 なお、東郷湖では一五、六年前から、三重網(別名・地獄網)と呼ばれる刺し網漁も行われている。従来の一重の網の前後に、目の粗い網を密着させて仕掛ける。これによって大きな魚もかかる。
図12 刺し網


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