第四編 民俗
第三章 生産・生業
第二節 漁労
 二  伝統的な漁法

投網漁
寒ブナをねらう投網漁も東郷湖の代表的な漁法で、浅津の漁師が多く用いた。網の投げ方には微妙なタイミングとコツを必要とする。あまり高く投げると漁は少ない。水面すれすれに低く広げ、少しでも遠くに投げるのが上手とされる。投網漁のなかでもまわし網と呼ばれる漁法は浅津の専門であった。一〇隻以上の舟が二列になって向かい合い、隣に続いて順番に網を投げ入れる。逃げ惑うフナを追いかける漁法である。
 投網漁の風景も四ツ手網漁と同様、東郷湖の風物詩に数えられる。


 
投網漁
図13 まわし網


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