第四編 民俗
第三章 生産・生業
第二節 漁労
 二  伝統的な漁法

筒づけ漁
 筒づけ漁はウナギを獲るための漁法である。以前は長さ六〇センチメートル、太さ四センチメートルほどの竹筒を用いた。目印の竹ざおを立てて、その湖底に潜って竹筒を置いておく。一人で平均二〇〇本ぐらい仕掛けた。ウナギがかかっている場合は、筒の両端を両手でふさいで揚げた。エサは使わない。狭い穴を好むウナギの習性を利用した漁法である。以前は浅津の漁師だけが操業していた。竹筒に代わってビニール製のパイプが普及し、四、五年前から当町の漁師も始めた。近年は筒にひもを結び、たぐって引き揚げる漁法に変わっている。漁の期間は五月中旬から秋口ぐらいまでである。湖の北東部や長江の沖合などの浅瀬には、筒づけ漁の目印にした竹ざおが林立する。


筒づけの漁パイプ


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