第四編 民俗
第三章 生産・生業
第二節 漁労
 一  姿を消した漁法

はえ縄漁
 はえ縄漁は、六〇〇メートルくらいの長い親縄に、四、五メートルほどの間隔で長さ二メートル近い枝糸(メーマと呼んだ)を付け、その先端の針にエサを付けて湖底に仕掛ける漁法である。一本釣りに比べると効率は高い。夕方仕掛けておいて、翌朝の四時ごろ引き上げた。エサは、フナの場合はゴズを、ウナギの場合は主にミミズを使った。ウナギ漁では三月末から秋口まで操業したが、稲を刈り取ったあとの湖畔の湿田でよく獲れたという。近年、ミミズなどが入手できにくくなったため、はえ縄漁はほとんど見られなくなった。


図6 はえ縄


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