第四編 民俗
第三章 生産・生業
第一節 農業
麦まき
稲を刈ったあとの田んぼは、牛にすきを引かせ、牛が入らない湿田ではくわを使って、高畝を作り麦をまいた。種隠し(覆土)には、さつま芋床に用いたすくもを使い、発芽するころまでにまや肥えを施した。「麦まきは冬至の午前中まで」などといわれた。
なお、稲のあとには、麦のほかに菜種、そら豆、みやこ(れんげ)なども作った。そら豆には必ずといってよいほどがや(ゾウムシ)が入ったが、長江から羽合町にかけて作られたそら豆にはその被害がみられなかった。
<前頁
次頁>