第四編 民俗
第三章 生産・生業
第一節 農業

田の草取り
 田植え後二〇日ぐらいから田の雑草取りを始めた。普通、一番草(一回目)から四番草(四回目)まで取った。一番草は田押し車を縦と横に通したあと、田すりで草を引っかいた。二番草から四番草までは、四つんばいになり手で草を取った。四番草は止め草ともいい、旧盆までに終えるようにした。午前中に引き続き、午後も昼休みのあと三時ごろから始めたが、まだ日差しは強く、炎天下で湯のように沸いた田の中を、ブト(ブヨ)に血を吸われ、稲葉に顔を擦りながらの作業は重労働であり、春からの疲労とも重なり病気になる者もいた。


田の草取り


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