第四編 民俗
第二章 衣・食・住
第二節 食事
三 禁忌食物
藤津ともち
藤津では正月にもちをつかず、だんごで済ませた。この習俗は太平洋戦争後まで続いていた。ただし、これは宗旨に関係があり、禅宗の家だけに守られていた。
昔、神様が突然藤津のムラにおいでになった。とっさのことで、村人はもちをついて差し上げる時間がなく、手近な米粉でだんごを作りごちそうした。神様はこれを食べて「正月のごちそうはこれに限る」とお喜びになったという故事によるとされる。
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