第四編 民俗 第二章 衣・食・住 第二節 食事 一 日常の食事 副食 副食の中心となる野菜はほとんど自家で収穫したものを使った。昔は生食は少なく、火を通したものを食べた。副食は汁、煮物、漬け物に代表される。 汁は大体みそ汁で、実〈み〉には季節の野菜を刻み込んだ。みそが欠乏すれば、塩味で我慢した。 煮物もほとんど身近にある季節の野菜類を用いた。フキ、竹の子、ナス、カボチャ、里芋、大根などである。保存しておいたワラビ、ゼンマイ、秋にはキノコなども使った。魚貝類は東郷湖のフナやシジミ、川でとれるアユ、ウグイ、ゴズ、ドジョウ、タニシ、ニナも用いたが、量は多くなかった。 漬け物の第一は大根漬けである。コーコといった。簡単に手早く食事に間に合い、しかも塩分が多いので、これだけでご飯が食べられた。大根のほかに、白菜、ナス、キュウリ、シマウリなども漬けた。みその中に入れて、みそ漬けも作った。梅干しやラッキョウも食を進める上で大事な副食であった。 |
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