第四編 民俗 第二章 衣・食・住 第二節 食事 一 日常の食事 主食 主食としては、一般に麦飯を食べた。米に麦を混ぜて炊いたものである。混合割合は、一般には半々であったが、家や地域により相違はあった。大正のころまでは、麦はつぶさない丸麦であった。丸麦は前もって水打ちをしておき、一度ゆでてから米と一緒に炊いた。昭和になって精米所に押し麦の機械が入ったので、この手数は解消した。このように農家は米の節約に心掛けたが、それでも不足勝ちであった。そのため、おかゆにしたり、麦飯に野菜類を入れた混ぜ飯を食べた。大根飯、芋飯、大豆飯、カボチャ飯、菜飯など、季節によってとれる野菜を混ぜて食べた。 昔は、主食は茶わんで三杯ぐらい食べるのが普通であった。 |
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