第四編 民俗
第二章 衣・食・住
第一節 服飾

夜具
 敷布団は厚さ一・五センチメートル程度の薄いもので、長さは四尺(一・二メートル)ぐらいであった。足を折り曲げて寝ないと足が出た。掛け布団には夜着、寝巻、四幅布団があった。
 夜着は古くからあったもので、綿入りそで付きである。背に四寸幅の背縫いが入れてあり、寝巻より幅が広かった。大正時代に入って、夜着から寝巻に変わった。寝巻も綿入りそで付きであるが、背縫いに付け布がなく、夜着より幅が狭い。
 四幅布団は現在も使われている大布団である。いずれも手織りの木綿で、しまやかすりの模様であった。春秋は寝巻か四幅布団を一枚、冬は寝巻と四幅布団を重ねて寝た。
 まくらは木まくら、ござまくらなどがあった。女が髪を結った時には、髪が壊れないよう箱まくらを用いた。


かすりの寝巻


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