第四編 民俗
第一章 年中行事
第四節 秋の行事

庚申さん
 庚申〈こうしん〉さんは干支〈えと〉で六〇日ごとに巡ってくる庚申〈かのえさる〉の日に行う信仰行事であるが、実際にはその年最後の庚申の日を祭った。この神は荒々しく恐ろしい神とされ、神棚でも独り離れて一段高い場所に祀られていた。庚申は、神道では猿田彦を、仏教では青面金剛を本尊としている。したがって、なまぐさを供える家と精進料理を供える家とに分かれていた。しょうのけ飯(味付け飯)や七種の花を供えた。
 この日も、強風の吹き荒れることが多く、「庚申さんの荒れ」といった。
   
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