第四編 民俗
第一章 年中行事
第三節 夏の行事
仏送り
盆が終わる十六日の朝、隣近所が誘い合って仏送りをした。精霊〈しやあら〉棚や仏壇の供え物を川や東郷湖畔で送り、だんごと共に流した。野方では、仏は西方浄土に帰られるといい、西を向いて拝んだ。
藤津では、初盆を迎えた家は湖に精霊〈しやあら〉船を流す仕来りがある。精霊船は、以前は麦ワラを編んで作ったが、最近は薄板(ベニヤ板)を用いている。中央の帆には「南無阿弥陀仏」と書き、灯明をともし、供え物や花を載せて流している。
藤津の精霊船
(藤津・川崎俊行提供)
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