第四編 民俗 第一章 年中行事 第三節 夏の行事 盆行事 十三日の夕方には、先祖の霊を迎えるため、門口にこえまつやオガラで迎え火をたいた。墓の灯ろうに火をともし、仏壇には仏膳を供え、盆ちょうちんに灯を入れた。これより早く、旦那寺の僧が壇家を回って棚経〈たなぎよう〉をあげた。 十四日の早朝、洛衣を着て家族そろって墓参りをした。だんごや菓子・果物・ササゲ・ナスの賽〈さい〉の目切り・洗米などを供えた。親せきの墓や六地蔵などにも参った。他家に嫁いでいる娘は夫を連れて墓参りに来た。寺院では法要が営まれた。 |
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