第四編 民俗
第一章 年中行事
第三節 夏の行事

早稲植え
 田植えに取りかかる前に、田の神を迎えて豊作を祈願する水口〈みなくち〉祭をした。特定の日はなく、暦に従って良い日を選んで決めた。朝、クリの枝・フキ・ミョウガなどを束ねて幣を取り付け苗代田の水口に立てた。また、歳徳さんに供えておいた縫い初め袋の白米を取り出し、樵〈こ〉り初めに用いた木を薪にして飯を炊き、お神酒やおぶく米と共に供えた。このあと、田に数株の苗を植え、早稲植えの儀式とした。
   
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