第四編 民俗
第一章 年中行事
第三節 夏の行事

端午の節供
 三月三日が女の子の節供であるのに対し、五月五日の端午の節供は男児の節供とされている。ショウブ・ヨモギ・カヤを束ねて屋根に投げ上げ、「ショウブの屋根ふき」をした。ショウブの葉を酒に浸したショウブ酒、布団の下に敷いたショウブ布団は、魔除けになり健康によいとされた。また、ショウブ湯にも入った。
 男の子の初めての節供には、里方からこいのぼりが贈られた。戦前までは紙製であったが、やがて布製に代わり、戦後は軽いナイロン製になった。当地方では武者人形は飾らないが、雛節供に天神さんを飾って子供の成長を祝った。米の粉のだんごをササの葉に包み、蒸して作ったまき(ちまき)を神仏に供えた。


こいのぼり(門田で)
(藤津・川崎俊行提供)


<前頁
次頁>