第四編 民俗
第一章 年中行事
第二節 春の行事
(二) 三〜四月

春の彼岸
 太陽暦の三月二十一日は春分の日で、彼岸の中日〈ちゅうにち〉という。この日を中心に前後三日間、合計七日間を彼岸という。
 初日の十八日を彼岸の入りといい、赤飯を炊いて仏壇に供え、墓掃除をした。
 中日にはおはぎを作って仏壇に供え、家族そろって墓や寺に参った。墓にはシブの技を立て、だんごや菓子、白米を供えた。
 また、新仏のある家々では、互いに連絡し合い親せきも含めて地蔵札打ちをした。装束をまとい、近郊の地蔵尊を回って札を納め般若心経を唱えて供養した。札には地蔵菩薩の名号、没者の戒名、供養者の名を書いた。札打ちは、歩いて二日ぐらいかかった。最後に、泊の地蔵堂や倉吉市福庭の洞泉寺の千体地蔵で札の打ち止めをし、そのあと精進落とし(動物食)をした。
   
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