第四編 民俗
第一章 年中行事
第二節 春の行事
(一) 二月

初午
 初午〈はつうま〉は、二月最初の午の日で、稲荷〈いなり〉の祭日として広く知られている。しかし、一方では田の神が山から馬に乗って降りて来られる日でもあった。もともとは、春亥の子などと同じく、田の神を祭る重要な日であったと考えられる。小豆飯を炊いて祝ったが、火難除〈よ〉けといって羽釜〈はがま〉の尻〈しり〉を洗って伏せておいた。また、この日に山に入るとけがをするといわれた。
   
<前頁
次頁>