第3編 信仰と文化財
第2章 指定文化財
第4節 町指定の有形文化財

薬師如来座像
 龍徳寺の位牌堂に安置されている。寄せ木造りの金泥像で、右手は施無畏〈せむい〉印、左手に薬つぼを持つ通形の薬師仏で、像高は72センチメートルである。納衣の上部に卍〈まんじ〉、下部に菱形文様が細かく描かれている。本体の裏に承応2年(1653)の墨書が見られる。中央仏師の手になる本格的な仏像であるが、顔などに後補の跡が見られる。光背と台座は仏身に対して均衡を欠き、作風も異なるので指定からは除かれている。
 この像は、もと漆原の万福寺の本尊であったが、同寺の廃寺に伴い、大正の初期、龍徳寺に移された。


龍徳寺の薬師如来座像


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