第3編 信仰と文化財 第1章 宗教法人 第2節 神社・教団 2 東郷神社
大正4年7月、旧東郷村の各部落に鎮座していた13の神社を合併し、東郷神社として現在地に社殿を新設した。その後、同13年6月9日、郷社に列した。合併された13の神社は、引地神社(引地)、森山神社(小鹿谷)、松上神社(小鹿谷)、秀尾神社(小鹿谷)、和田神社(田畑)、山辺神社(国信)、別所神社(別所)、高辻神社(高辻)、新宮神社(川上)、久見神社(久見)、谷口神社(中興寺)、麻畑神社(麻畑)、松尾神社(方面)である。 この中で、秀尾神社は「伯耆国河村郡東郷荘絵図」(正嘉2年・1258)に桂尾(かつらお)宮と記載され、八幡(はちまん)の神を祭神とするところから後に八幡宮(注)と称したという。同社は歴代武将の崇敬が厚く、羽衣石南条氏の祈願所となり、社領数石の寄進を受けている。藩政時代は社領5石9斗7升を寄進され、藩主池田家の祈願所となった。明治維新の際、小字名をとり、秀尾神社と改称されていた。 (注) 八幡の神とは、誉田別命(応神天皇)のこと。宇佐八幡宮、石清水八幡宮、鶴岡(つるがおか)八幡宮など全国的に八幡宮の数は多い。清和源氏が氏神とするなど、武門の信仰が厚かった。
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