第2編  歴史
第4章  近代・現代
第10節 社会教育
 2   社会教育団体
(1)  青年団と処女会

東郷・松崎青年会

 東郷青年会は明治42年9月(「東郷小沿革史」)、松崎青年会は同45年1月8日(「立木柳蔵日記」)に創立された。「松崎青年会第四支部規約」(松崎・高野伊之蔵所蔵「沿革史及沿革書類」所収)には、
@会員は15歳以上、35歳以下の男子で組織する。
A会員の互選によって、支部長・副支部長を1人ずつ置く。
B毎月1日・15日を仕事日とし、半日共同作業を行う。
C規約を履行せず、又は風俗を乱し、本会の体面を汚す者は、支部総会を開き、本部に除名の手続きをする。
などと規定している。
 「大正三年東郷村松崎村事務報告書」(方面・伊藤隆治所蔵)には、当時の両村青年会の状況が記録されている。会員数は東郷青年会96人、松崎青年会は通常会員78人、特別会員3人、名誉会員11人の合計92人であった。その目的は「夜学会講話会等ニヨリテ修養研究セシメ、其ノ品性ノ向上ト常識ノ発達ヲ図リ、共同ノ習慣ヲ作リ、勤倹ノ美風ヲ養成スル」ことにあった。この目的達成のための事業として、「夜学会」や「名士ノ講演会」の開催、「共同試作地及採種田」の作業、「統計材料の蒐(しゅう)集」のほか、「欠席児童ノ家庭訪問」、「積雪ノ際ニ於ケル通路ノ雪搔(か)キ」、「村税ノ徴収」など「熱心ニ公共事業ニ従事」したとしている。また、毎月又は隔月に例会を開き、会員相互の意見を交換した、とある。こうした共同作業の成果で、「青年ノ風紀ハ善良ニシテ幣風悪習ハ年ト共ニ改善セラレ成績稍々(やや)見ルベキモノアリ」として、村から東郷青年会に10円、松崎青年会に3円の補助金を交付している。