第二編 歴史 第四章 近代・現代 第九節 学校教育 一 教育制度の変遷と町内の概観 (四) 昭和前期 東郷青年訓練所の状況 町内の各農業補習学校に併設された青年訓練所のうち、ここでは東郷青年訓練所の状況を例示する。これは東郷実科専修学校の「沿革又ハ重要事項録」によるものである。 東郷青年訓練所は、大正十五年七月の創設である。訓練内容は、記録によれば軍人としての予備教育であった感が強い。授業時間の二分の一は軍事教練に向けられていたとみられる。創設と同じ日付で、軍曹森田房吉ほか四名が教練助手に嘱託されている。 翌昭和二年一月、第一回の入営者(四名)を出した。同十年三月までに、一六人の入営者の名が記録されている。ほとんどは松江六三連隊に入営したものと思われる。その大半は、一年六か月後に退営しており、前述したように正規の在営期間(二年)が六か月短縮されたものと考えられる。 記録には、演習(模擬戦争)に関するものが多い。東伯郡内の青年訓練所の連合演習などが、ほぼ毎年のように実施されている。この演習には、訓練所の生徒のほか、高等小学校の児童が参加した場合もある。このほか、松江連隊区の司令官などが時折、指導や査閲に訪れている。 このように、訓練所の生徒は軍事教練や連合演習など戦時色の強い教育を受けていたのである。 |
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