第2編 歴史
第4章 近代・現代
第7節 商工・金融業
 1  商工業

しょうゆ・こうじ製造業
 各種食料品の小売店で、「よろず屋」と呼ばれる松崎の万商店は、明治40年1月からしょうゆの製造を始めた。(カネヨ)の商標はその当時からのもので、地元松崎村を中心に、池向こうの浅津、宇野辺りまで販売していた。近郊のしょうゆ製造業者は、田後の椿家など現・羽合町側に数軒あったというが、戦時中の昭和20年1月、農林省の需給調整の名目で年間300石以下の小規模工場が転廃業させられ(『青谷町誌』)、この地方では万商店だけが残ったという。
 このほか、同家では製糸、みそ製造が行われた時期もあった。このうち製糸工場は湖岸沿いに設けられ、宮内、藤津、小鹿谷などから女子従業員を雇っていたが、昭和9年の台風で水害を受け、廃業したという。
 昔は自家用のしょうゆ・みそは各戸で造っていた。そのために必要な「こうじ」は松崎の土井家(現・修)、足羽家(現・厚己)が製造販売していた(『鳥取県商工会誌』)。
代表的大地主であった小鹿谷・市橋家の旧邸
(市橋武提供)


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