第2編 歴史 第4章 近代・現代 第7節 商工・金融業 1 商工業 松崎宿の商家 明治4年9月、それまでの町名を廃して宿となった松崎は藩政時代から馬次〈うまつぎ〉(宿場)としてにぎわったと推定される。また、周辺の因幡国勝部村(現・青谷町)や河村郡片柴村(現・三朝町)、あるいは湖の対岸の橋津村(現・羽合町)などとは、人・物資の交流が頻繁であったと思われる。とりわけ、明治37年3月に松崎駅が開業して以後、温泉客が増え、貨物の集散も増加して、商業活動が活況を呈したと思われる。 町内には、明治時代後半から大正初期のものとみられる商家の広告が伝えられる。いずれも色鮮やかに印刷されており、得意先などに配布されたものであろう。酒、たばこ、塩、洋反物、小間物、足袋、荒物、染物などの取り扱い商品が見られるが、総じて一店の営業品目の多いのが目立つ。 このほか、昭和前期以前から今日まで続く松崎地区の商店を次に示す(松崎・足羽惇の談による)。ただし、なかには店舗名・店舗場所あるいは営業品目を変更したものもある。 〔一・二区〕佐本自転車店 河原米穀店 万商店 〔三区〕野口履物店 佐藤魚店 岡村玩〈がん〉具店 井上呉服店 三原屋写真館 〔四区〕高野商店 富沢米穀店 〔五区〕古川酒店 米田菓子店 伊藤(寿明)食料品店 足羽文具店 〔旭区〕伊藤(慎一)酒店 園硝子〈ガラス〉店 高橋酒店 よろず土産店 東郷観光物産館(長尾) 更田プロパン店 |
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松崎地区の商店の広告(2〜11) ( )は現在の経営者を示す。
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