第2編 歴史 第4章 近代・現代 第5節 農林水産業 3 畜産・林業 因伯牛の育成 性質がおとなしく、よく労役に耐えるといわれた因伯牛は、元来、因幡牛、竹田牛、日野牛など雑多な種類があり、その資質は優良とはいえず、体格は小さく、尻が細く毛色も一定していなかった(『萩原直正先生遺稿集』)。後年、体格も大きく、発育も早く、良質の肉が多量に取れる役肉両用の優秀な因伯牛として全国に知られるようになったのは、改良にかけた官民一体の努力によるものである。 前述したとおり、畜牛かであり、かつ博労でもあった田畑の飛村常蔵は畜産関係団体の役員を歴任し、因伯牛の育成に熱心であった。昭和17年、鳥取市で開かれた県畜産共進会に牡牛「小金号」を出品し、1等賞を受けるなど、優秀な因伯牛の生産に貢献した。 |
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