第2編 歴史
第4章 近代・現代
第5節 農林水産業
2 水産業
(2)
漁業の導入
の建設と廃止
東郷湖における
の建設は、終戦の年、昭和20年9月に着手された。
漁業の先進地である滋賀県から招いた「
師」数人が作業に当たった。記録によれば、第2号が先に完成している。第2号は橋津川の河口付近に設置された。しかし、完成直後に阿久根台風による風水害を受け、沿岸の田に被害が出た。この被害は
設置が原因であるとして、当時の浅津村長から
の除去を要求されたという。同年10月、第2号は現・羽合町南谷字「コト引き」(東郷町宮内字「椎山」に隣接する地点)地先に移設された。11月には、第1号も羽合町浅津字「宮ノ本」地先に設置された。当初、第1号でとれた魚は浅津方面へ第2号のそれは東郷・松崎・花見・舎人へ配給されたという。
新しい漁法として注目された
であったが、同21年10月6日、「上浅津生産漁業者」から
の除去要求が出され、19日の理事・監事・総代会で、
を売却処分することが決定されている。また、その1週間後、会長の松田昌造が辞任届を出している。この間の事情については明らかではないが、
入った魚の盗難防止の管理体制、配給の公正などに難点があったとみられる。第1号の
は同年12月、第2号は22年5月売却され、
漁業は2年足らずに消滅した。
表60 昭和20年度の
による漁獲
魚種/漁獲
数量
(貫)
高(円)
大ブナ
258
3,311
小ブナ
847
5,928
コイ
13
173
ボラ
104
62
エビ
13
65
ウナギ
13
44
セイゴ
1
7
タイ(注)
19
133
サヨリ
5
30
ハゼ
5
20
カニ
123
138
イナ
136
1,496
アマサギ
1
30
合計
1,538
11,437
(注)海水の逆流でそ上したチヌダイ(クロダイの異称)のことと思われる。
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